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2007年3月18日 (日)

「ベトナム民営化ファンド5」セミナー:質疑応答から

 先週に続いて、ユナイテッドワールド証券が主催する「ベトナム民営化ファンド5」セミナーで講演した。場所は、東京国際フォーラム・D7ホール。有楽町駅から徒歩1分。熱心な質問が続いた。命の次に大事なお金を投資するのだから、それは当然だ。

 現在のベトナム株式市場は「バブル状態」であるが、大きな値下がりはない。株価が下落すれば、投資ファンドの買いが入るからだ。これは私の見解。私の次に、ユナイテッドワールド証券・執行役員の豊島さんが「しかし近い将来に調整局面の株価暴落がありうる。その時には、一般の個人投資家は大きな損失を被る可能性はあるが、その後は、さらなる格段の成長が見込める」と講演された。この指摘に私も同意する。

 ただし、どの程度の「株価暴落」になるのかが不明だ。ベトナムでは上下5%の株価変動の制限がある。日本で「ストップ高」または「ストップ安」と呼ばれる株価の値幅制限だ。私見では、「ストップ安」が何日も続くという状況は考えられない。株価収益率を始めとする投資指標が合理的な水準に達するまでには、機関投資家=投資ファンドが買い注文を出すと予想されるからだ。この意味で、ベトナム株式市場における「底なしの大暴落」はありえない。

 投資ファンドの売却リスクについても質問があった。これは、投資ファンド設定期間の終了時に株式を円滑に売却・現金化できないリスクだ。ユナイテッドワールド証券の説明によれば、投資ファンド満期終了前の高値での利益確定もありうるし、市況が悪ければ、ファンド期間の延長もするということだ。このようにして確かにリスクは回避される。

 私が補足したことは次のようである。たとえばベトナム最有力のIT会社FPTに投資ファンドが投資し、その資金や経営助言で会社が成長する。それと同時に投資ファンドは安定株主として経営陣を支持する。そして投資ファンドの満期が来た時には、その株式を日本のIT企業に友好的に売却し、その日本企業とFPTはベトナムや日本で新たな事業展開が可能になる。このような投資ファンド売却の理想的なシナリオもありうる。

 この講演会では、あくまでも私はゲストだ。証券会社の立場なら「中長期的な成長機会が訪れています」と言うべき所を、私なら「中長期的に見たら必ず儲かる」と言ってしまう。自分でも慎重に言うべきことは理解していたが、ゲストの私見という気楽さがあった。

 弊社・「ロータス証券投資ファンド運用管理会社」の立場で私が説明する場合、こういった気楽さは容認されない。「必ず儲かる」という文言は日本では違法だ。この同じ文言をベトナムで使用する場合は容認されるのだろうか。ベトナム証券法の条文や国家証券委員会の規則について確認してみようと思う。

 講演会終了後、何人かの出席者の方々とお話しした。「ベトナムエエでっせ!!」とセールスマンに徹した。まったくベトナムに縁のなかった人々が、株式投資を通してベトナムに関心をもっていただく。日越経済交流センターの立場からは非常に喜ばしいことである。

 超巨大都市・東京の一極集中化を内心では批判しながらも、その魅力を実感した。大学教授・ベトナム投資運用会社顧問・友好団体理事の各立場から、いろいろなことを考えさせられ、同時に勉強になった。こういう機会を提供していただいたユナイテッドワールド証券の皆さまに感謝を申し上げたい。

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