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2007年2月13日 (火)

ロータス社提供「ベトナム経済ニュース」(3):国有投資機関SCICとは何か?

 設立されたばかりの「ロータス証券投資ファンド運用管理会社」は、ベトナム財務省傘下の国家証券委員会が認可したベトナム現地法人の株式運用会社である。証券会社と違って、投資ファンドを組成したり、日本の「ラップ口座」のように一任勘定で顧客の口座管理を業務としている。

 証券会社は、顧客の売買注文の仲介が主要な業務だが、上記の「ロータス社」は運用会社であるから、実際に株式売買を担当する。この意味で、同社からの直接の情報は注目に値する。ただし「ロータス社」の顧客は、証券会社や金融機関などの法人や、そこからの紹介による大口個人顧客に限定されている。

 さて、同社が提供する「ベトナム経済ニュース(2)」(2月11日)におけるSCICについて質問を頂戴した。そこで、以下ではSCICについて解説する。

 SCIC(The State Capital Investment Corporation:国家資本投資会社)は、2005年6月20日に首相決定で設立された国家の特別経済組織である。国有会社における国有資本の代表者として、その資本について管理・投資・処理する。SCICの設立資本金は5兆ドン(3億1,250万ドル)。2007年の今日までのSCICの投資項目は1,000社あり、総資本(帳簿価格)は23兆ドン(14億3,750万ドル)に達している。

 SCICは、いわば「国家持株会社」である。その任務は、国有資金の投資運用会社である。首相決定によれば、同社の業務は次のように規定されている。
 第6条 SCICの機能と任務
1.独立した国有企業から転換した国営の1名有限責任会社・2名以上有限責任会社・株式会社もしくは新しく設立されたそれらの会社に投資された国家資本の所有者を代表するために、それに伴う権利を所有・行使する。
2.次の目的を達成するために、国内・外国の経済部門・分野において国家資本を投資・売買する。
 ・効率的に資本供給源を利用して国家資本を保持・発展させる。
 ・発展のための推進力を創出して、国家資本によって投資された企業の業務能力と競争力を向上させる。
3.国家指定の任務に従って国内の経済部門・分野にSCICの投資資本を投資・管理する。
4.国家企業法の条文に従って国内・外国資本供給源の動員を組織化する。
5.投資コンサルティング・財務コンサルティング・株式化コンサルティング・企業所有転換コンサルティングおよび国内・外国の組織および個人からの受託投資資本の受領のような金融サービスを提供する。
6.資本投資分野における国際協力の任務を遂行する。
7.法律の条文に合致するように企業支援サービスを提供する。

 この首相決定の条文全文は以下(英文)で紹介されている。 
http://www.itpc.hochiminhcity.gov.vn/en/business_news/vietnam_legend_update/Full%20Text/folder.2006-06-15.1549210660/2005_06_20c

 以上の条文を見る限り、SCICが外国企業に投資したり、外国企業を買収したりすることもありうる。さらにベトナムにおける機関投資家との連携・協力もありうる。すでに既報のように同社は金融機関・国際大手投資銀行20社と関係を結んでいる。

 次回に私は、このSCICを訪問してみたいと思う。果たして、この金融機関の中に日本企業は含まれているのであろうか。訪問しないことには「実学」は始まらない。

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