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2007年2月 3日 (土)

ロータス社提供「ベトナム経済ニュース」(1):株式公開の動向

 ハノイのロータス証券投資ファンド管理会社から、第1回の「ベトナム経済ニュース」をお届けする。同社のIR(投資家向け広報)を担当するTRANGさんからの情報である。最初は、新聞・雑誌記事の紹介などが中心となるが、次第に訪問企業のインタビューなどの独自情報を充実させる計画である。これに私がコメントを加えるという形式で、今日から連載してみようと思う。なお、私のコメント・解説にはを付記する。

ベトナム株式市場の過熱=高騰が報じられ、そのバブル崩壊のリスクが指摘されている。また、多額の外国投資ファンドがベトナム株式市場に参入して「池の中のクジラ」の状態になる懸念がある。これは、小さな池(=ベトナム株式市場)にクジラ(=巨額の外国投資ファンド)が住むことはできないという意味である。

こういった懸念や不安を解消するためには、国有企業および有限会社の①株式会社化を推進し、②その株式を公開し、③さらに店頭市場での売買を経て、④株式市場に上場するという過程を促進する必要がある。

ベトナム政府は当然、こういった点を理解しており、株式市場の過熱を冷却するためにも、株式会社化と株式公開を積極的に推進すると考えられる。これが、以下の報道の背景である。

 (1)ベトナムテレビ(VTV)1の「金融ニュース」と『ベトナム経済タイムズ』によると、2007年~2010年の間に国有企業の株式会社化が、さらに促進される予定である。大規模な国有企業グループの企業が53社、それ以外の大小企業500社以上が株式会社化される。
 非常に注目されるのは、ベトナム織物グループ( VINATEX)傘下の91年に設立された大手企業6社、工業省に属している6社、建設省の14社、交通省)の10社、水産省の3社、農業・農村発展省の12社、医療省の1社、それにベトナム航空である。
 その中で、VINATEX とベトナム航空は2008年、ハノイビール=ワイン=ソフトリング社(HABECO)とサイゴン=ハノイビール=ワイン=ソフトリング社(Saigon Beverage Co.Ltd)は2007年に株式公開の予定である。

以上のように、各省で株式会社化する企業がすでに準備されている。これらの株式取得は「従業員持ち株」を除いて「公開入札」で実施されることになるだろう。ここで再び、この入札価格が過熱するのではないかという懸念が生じる。そうなれば、その後の店頭売買価格も過熱することになる。株式市場の健全な発展のためには、適正価格の「抽選」販売を検討してもよいかもしれない。

上記の国有企業の中で最も注目されるのは「ベトナム航空」であろう。ハノイ~ホーチミンの国内線が常に満席に近い状態であるし、国際線も「割引チケット」が出回らない。この独占企業の株式に人気が集まるのは当然であろう。ビール企業は競争が激しいので果たして人気が出るのだろうか。たとえば公開入札しても、入札価格が額面価格といった事例が昨年にあった。個別銘柄の検討・分析は、今から始めても遅くない。

 (2)Thanh Nien新聞によると、全国的な電力需要に対応するために、「EVN(ベトナム電力グループ)全体を株式会社化する!」とNGUYEN SINH HUNG副首相が公表した。

ベトナムにおいて資源・電力株は有望だろう。上記の報道にあるように需要増加が見込まれるからである。さらに電力については、ベトナムからカンボジアに輸出していると聞いている。カンボジアの経済発展に伴ってもベトナムの電力会社は恩恵を受ける。水力発電・火力発電に加えて原子力発電もベトナムでは計画されている。事実、たとえば「PHA LAI火力発電所」の株価は、昨年9月に3万ドン程度であったが、わずか4ヶ月で10万ドンになった。だからベトナム株式投資は儲かるのだ!!

 (3)『ベトナム経済タイムズ』によると、MobiFoneは年内(2007年)に株式会社化を終える予定である。

この報道の意味は、MobiFoneが今年中に株式会社化を完了するという意味であると想像される。携帯電話の競争も激しいので、同業他社の動向を含めて個別企業の検討が必要であろう。現在、日本の携帯電話は3社の競争であるが、それぞれの差別化が進行中である。おそらく今後、ベトナムの携帯電話市場でも、その付加価値的なソフト面でのサービス競争が激化するであろう。いわゆるコンテンツの競争である。こういった動向にも注目が必要である。

以上、売買株式の銘柄数が次第に増加することは歓迎されるのだが、それだけに玉石混交の状態が生まれる。優良企業を見極める確かな目をもった「証券アナリスト」の充実と拡充がベトナムにおいて切望される。また、国営企業の株式会社化に伴う政府役人の汚職にも警戒が必要だ。それによって国民の株式市場に対する信頼が失われる。

外国人の個人や投資ファンドだけがプレーヤーのベトナム市場になれば、結局は外国投資ファンドの売却時の「受け皿」がなくなってしまう。国内投資家の健全な発展に外国投資ファンドの運用会社は留意すべきである。

ロータス社は設立されたばかりの投資ファンド運用会社であるが、たとえばJICA支援で建設された「ベトナム日本人材協力センター」やベトナム商工会議所におけるベトナム人向けの株式投資セミナーの開催を計画・企画中である。このようなセミナーを通して、ベトナム株式市場の健全な発展を推進する。これが、世界初の日系の投資管理会社であるロータス社の独自性と存在意味である。

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