« ブログ1周年記念 | トップページ | 神戸ポートピアホテル:老舗ホテルのホスピタリティ »

2006年12月15日 (金)

被害者妄想と加害者妄想:「インテリ」の条件は?

 私は大学院を卒業してから5年間、財団法人・日本証券経済研究所・大阪研究所に研究員として勤務した。

 当時、主任研究員として奥村宏先生がおられた。「法人資本主義」論を展開された奥村先生は、その後に龍谷大学・中央大学の教授を務められ、現在も経済評論家として活躍されている。同じく主任研究員であった故・田辺昭二先生からは、証券業界の生々しさや奥深さを教えていただいた。

 故・松井和夫先生には、個人的に最も親しくしていただいたように思う。その後に大阪経済大学教授になられたが、体調を悪くされて、数年前に亡くなられた。アメリカ金融資本の研究について日本で第一人者であったと私は思う。

 その松井さんから、「インテリ」は加害者妄想をもつものだと教えられた。この「インテリ」とは、特にエリート意識をもった人を示す言葉ではなく、 教養の高い人または人間的に立派な人という意味である。

 常に控えめで自省的な人間。だれかに迷惑をかけていないかを常に気にする人間。周囲の人間の態度や気持ちに十分に配慮する人間。このような人間は「インテリ」というだけでなく、企業経営者にも必要な気質であるかもしれない。

 企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に対して十分に目配りして、それぞれの利害を最適に調整できる能力が、企業経営者に必要と考えられるからだ。

 これに対して被害者妄想というか、被害者意識の強い人間がいる。自分は被害者だ。自分は悪くない。悪いのは他者だ。被害者=弱者として、その権利や優遇を要求する。こういう責任転嫁の人間が社会人として信用されるはずがない。

 これより大きな問題は、自分が被害者なのに、それに気がつかない人間だ。大きな不利益を自分が受けているのに、それに鈍感な人間がいる。しかたがない。やむをえない。どうでもよい。このような人間が多いと、この場合の加害者には好都合だ。

 自分が加害者にならないように十分配慮しながら、同時に被害者にもならないように抗議・抵抗することが必要であろう。最近は何でも協力だ。協力や協調が好ましくて、抗議や抵抗が悪いことのように思われる傾向がある。しかし被害者にならないためには事前の抗議と抵抗しか手段がない。被害者になってから抗議・抵抗しても手遅れという場合も多いのではないか。

|

« ブログ1周年記念 | トップページ | 神戸ポートピアホテル:老舗ホテルのホスピタリティ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 被害者妄想と加害者妄想:「インテリ」の条件は?:

« ブログ1周年記念 | トップページ | 神戸ポートピアホテル:老舗ホテルのホスピタリティ »