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2006年12月 2日 (土)

ベトナム株式投資ファンドの2形態:昨日のコメントに関連して

 昨日、「ベトナム株ノーロードファンド」について紹介したが、それについて、ペンネームMATSUさんから次の趣旨のコメントを頂戴した。

 このファンドは、ベトナム現地のBSC証券会社を通して売買され、未公開株などの売買利益も含めて問題なく日本送金できるそうである。ただし問題点は、未公開株や未上場株を的確に取得できるかどうかだと指摘されている。私も同感である。

 これまでの私の見聞でも、未公開株の公開入札において機関投資家が入札に失敗することがある。いわゆる素人の個人投資家が高値で入札してしまうからである。機関投資家が合理的な入札価格を提示しても、個人投資家が「買えば儲かる」と早合点して高値で入札する。このような状況で、なかなか的確な価格での未公開株や未上場株の取得は難しい。これがベトナム株式市場のひとつの特徴である。

 なおベトナムには、証券会社と投資管理会社という2つの証券業態がある。それぞれの業務は次の通りである。証券会社は、①自己売買、②株式発行、③売買仲介、④財務アドバイス。これに対して投資管理会社の業務は、①投資ファンドの運用・管理、②投資口座管理(投資家の受託者として投資すること)である。

 そうすると冒頭の「ベトナム株ノーロードファンド」は、証券会社の業務③売買仲介のルートでベトナムに投資し、他方、昨日に紹介したユナイテッド=ワールド証券の「ベトナム民営化ファンド4」は、投資管理会社の業務①投資ファンドの運用・管理による投資である。日本からの同じベトナム投資ファンドであるが、この両者の相違点、またはメリットとデメリットは何であろうか。

 この問題については、少し検討する時間を頂戴したい。ただし投資管理会社に対する日本からのベトナム投資には、次の3方法がある。

 (1)日本の法律に従って日本で投資ファンドを設立し、ベトナム投資管理会社に管理・運用を委任する。この場合は委任契約書を作成する。この投資ファンド設立は、節税を考えれば、ケイマン諸島などでも可能である。これは、前述のユナイテッド=ワールド証券の方法である。

 (2)投資ファンドに参加したくない日本の個人投資家または法人投資家は、ベトナム投資管理会社に投資委任できる。これは、投資管理会社の業務②に該当する。通常、一定の金額以上の大口投資家に制限される。

 (3)日本の投資者が、ベトナム投資管理会社が設定した投資ファンドに参加する。この場合は2007年中は外国投資家の出資比率は最大49%に制限される。

 以上を考えれば、「売買一任勘定」をもった投資管理会社に投資することが、自己責任で証券会社を通して投資するよりも、ベトナム投資ファンドについては安全・簡単であるように思われる。当然それに応じて費用も必要ということになる。

 要するに「ベトナム株ノーロードファンド」は、この費用を節約して手数料無料を実現したということなのだろう。なお実際の運用成績の相違を考えれば、おそらく大きく変わらないと予想される。ベトナム株式市場の全体が右肩上がりだからである。そうすると相違点は、投資先に対する信頼感の大小ということになる。結局、手数料無料の評価は、投資家の心理に依存するということだ。

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