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2006年12月 3日 (日)

ASEANとWTO加盟に向けたカンボジアとラオス(2)

 1.ASEANとWTOにおける経済統合

 ASEAN(東南アジア諸国連合)は、1967年8月8日に「バンコク宣言」で結成され、現在の加盟国は10カ国である。1997年12月のクアラルンプールの首脳会議では、緊密な経済統合が展望された。明示的な「経済共同体」は言及されなかったが、「アセアン=ビジョン2020」は、欧州経済共同体に類似した公式の経済統合の成立のためのロードマップを提示した。

 第9回首脳会議では、ASEAN経済共同体(AEC)に向けた具体的な枠組みが採用され、2004年11月30日にラオス・ビエンチャンで開催された第10回首脳会議では、AECに向けた行動計画が再確認された。

 すべてのアセアン加盟国は、WTOに承認されるように統合政策を着実に採用してきたが、その政策や統合の水準や段階はさまざまである。たとえばタイはWTO創設国であり、ラオスは1997年7月16日に加盟申請した。他方、カンボジアは2004年10月13日に148番目のWTO加盟国となった。

 概して言えば、アセアン諸国の経済統合には2つの政策がある。第1は、アセアン経済共同体の成立に向けた戦略を策定・実施することである。第2は、WTO加盟国に提供される広範な利点を利用するために地球規模の世界貿易体制に統合することである。なお、この利点とは、MFN(最恵国)やNT(内国)条項のことである。

 お互いに矛盾しているように思われる2つの政策は、どのように各国で表明されているか。各国の法的な基盤は、どのようになっているか。私見では、これらは有意義な問題提起である。

 WTO協定の実施については、人権活動家や、人権および特に健康権に対して潜在的に有害な影響を懸念する人々が関心をもつ。たとえばサービスにおける一般貿易協定の実施は、最も弱い母集団の健康障害に対して格差ある2重の健康サービスを提供することになる。同様に、知的所有権に関連の貿易協定は、医薬品やワクチンを貧困者がますます入手し難くする。

 私見では、以上の指摘は重要である。WTO加盟が社会的な弱者や貧困層に悪影響を及ぼさないかどうか政府は検討が必要だし、場合によってこれらの国民に対する「救済ネット」を用意しなければならないだろう。 以下、つづく。

 

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