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2006年12月17日 (日)

投資顧問会社が投資資金を公募できるか?

 「ベトナム株ノーロードファンド」が投資資金の募集を開始した。この投資ファンドについて、私の疑問は「出資法」違反ではないのかということだった。しかし、それは問題ないそうだ。

 その根拠は、今回のファンド募集は「出資法」に関係する従来のファンドではなく、商法に基づく「匿名事業組合」という形で募集するので、「出資法違反」にはならなないということである。

 このようなベトナム投資のアイデアは、すでに私の拙著で次のように指摘している。「小規模投資事業組合やLLP(注:有限責任事業組合)など私募の投資ファンドやベンチャーファンドに参加する。---ただし、ベトナム人の信頼できる窓口となる人物が必要であろう」(上田義朗・ブレインワークス『乗り遅れるなベトナムビジネスがいま熱い』カナリア書房、2006年8月、p.110)。

 ここで私は「私募」と述べている。もし「公募」になれば、冒頭の「ノーロードファンド」と同じだ。本当に公募できるのか?最初の疑問である。

 さて第2の疑問は、投資顧問会社が投資資金を公募できるのかということだ。この「ノーロードファンド」は、日本の投資顧問会社が資金を集めてベトナム株式に投資する。その投資資金の受け皿に「事業組合」を結成し、実際の売買はベトナム証券会社が行うというビジネスモデルだ。

 この投資顧問会社には2つの業務がある。第1は、投資家と「投資一任契約」を結び、投資判断と実際の売買まで行う。第2は、投資家に投資助言だけを行う。投資顧問会社は、内閣総理大臣の登録が必要だが、前者の「投資一任業務」の場合は、それに加えて「一任許可番号」を取得しなければならない。

 組合員の資金を一任で運用するのだから、当然、「ノーロードファンド」の場合、その投資顧問会社は「一任許可番号」を取得しているはずである。

 不特定多数の投資家を募集する場合、その中に極端な投資家が含まれることを資金募集側は想定しておかなければならない。たとえば損失の場合のみならず、利益が出ていても、より多くの利益が出るはずだと要求する投資家がいる。また「訴訟マニア」のような投資家がいるかもしれない。資金を公募する企業側は、こういった投資家にも対抗できるだけの法的な準備をしなければならない。

 そのためには、投資資金の募集会社・運用会社・顧問会社・資金預託銀行などが実際の株式売買までに介在する。また詳細で大部な目論見書が用意される。これは、それぞれの会社の責任の分散を意味する。換言すれば、訴訟リスクの分散である。

 これは投資家のためというよりも、会社側の都合であるにもかかわらず、投資家自身が、これらの会社に手数料を支払っている。これに対して手数料の軽減を投資家が期待するのは当然だ。

 「ノーロードファンド」の「ノーロード」とは、「手数料無料」という意味だ。このような低コストの株式運用は投資家にとって歓迎される。しかし他方、それがリスク増大を伴うなら投資家は困る。今こそ、手数料負担とリスク軽減の適当なバランスが検討されるべきだし、それが投資家に説明され、投資家は納得しなければならない。

 このような説明責任と透明性の確保は、その投資家が不特定多数の場合は、最重要な課題であると思う。それが、企業側にも投資家側にもリスク軽減をもたらす。

 以上、投資家の立場に立った合理的な証券・金融の新しいビジネスモデルが、日本で求められていると指摘できる。2006年は、ホリエモンや村上ファンドの事件が発生したように、こういった問題を考える出発点になるのではないか。  

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