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2006年12月30日 (土)

ホーチミン市の仕事3:「シンカモン・ザオスー」

 本日の深夜便で帰国する。大晦日は日本だ。最後のホーチミン市は、朝からベトナム民間会社・日系企業・日本語学校を訪問。その後に「正月用品」を買い物した。通訳のThamさんには非常にお世話になった。

 今日は各方面の方々から、いろいろなアイデアを頂戴した。ベトナム民間企業では、株式公開・株式上場の関心は十分だった。機械部品や木工品の会社だ。私は、この社長を好きだ。物作りの職人的な感じがする。それに質素だ。派手好きの社長でないところが、真面目な堅実さを証明している。そうは言っても現在、事務所兼自宅を建て替え中だから、お金はもっているようだ。こういう企業の株式会社化に当たって株式投資する。10%以上の株主は、戦略的パートナーとなって、経営にも関与できる。具体的には、上場までの技術指導や販路拡大に協力する。そして上場した後に投資資金を回収する。

 私は、正直言って、こういう仕事をしたい。これが本当のベトナム経済に貢献するからだ。多額の資金を集めて、マネーゲームで儲けるだけの欧米資本とは異なった投資ファンドを目標にしたい。こういう姿勢を一貫すれば、ベトナム企業から信頼され、優良企業が先方から出資を求めてくると私は思う。ベトナムは日本の投資ファンドにそれを求めている。

 ベトナムにないモノにベトナム人はあこがれる。こういう指摘が別にあった。ベトナムにないモノと言えば、お金? そんなことはない。お金は日本でも、ないところにはないし、ベトナムにも、あるところにはある。では、それは何かと言えば、信頼・信用だという。この意味で、日本政府やベトナム進出の日本企業は、信頼関係を維持することを重視してきたように思う。それだからこそ「日本ブランド」が最も愛好されるのだ。「ロータス投資管理会社」はベトナム人の会社だが、投資ファンドの出所は日本である。このことを強調すれば、ベトナム人からも資金が集まるだろう。安心して任せられる日本人の投資ファンドなのだ。

 ベトナムの大学経営は、株式会社でも可能だそうだ。これから大学倒産というような時期を迎える大学教授の再就職先はベトナム。このブログで紹介したように、カンボジア・プノンペンには、すべて英語で教える大学があった。これだけアジアそしてベトナムに日本は貢献しているのだから、日本語で教える日本の大学があっても悪くない。人材不足に悩む日本企業に対する有力な人材供給基地として、ベトナム人を重点的に活用すればよい。どうして、こういう発想が今までになかったのだろうか。ベトナムの大学は必ずと言っていいほどに利益は出ると私は思う。

 ハノイのソン会長・タイ社長から連絡があった。私の面接した会計主任の採用が決まったそうである。彼女の退室時に握手したが、女性にもかかわらず、驚くほど強い力であった。チュングエン=コーヒーのヴゥ社長の強い握手も忘れられない。これから私も、初対面の人に対する握手は強くしよう。必ず印象に残る。私のゼミ学生にも教えてやろうかと思うが、残念ながら、ほとんどの日本の面接で握手する習慣はない。

 日本語と英語ができる渉外・広報・調査担当者については、ベトナムのインターネットで採用募集しているので、そのサイトからパスワードを入力して、応募者を書類選考してほしいという依頼があった。ベトナム恐るべし。こんな採用方法が存在していたのだ。

 私のハノイ留学中の1998年には、職業紹介所に求人依頼して、そこから紹介してもらう人材をできるだけ優先しなければならないという制度があったが、その後に自由化された。それが今や、インターネットでの国際的な採用が行われている。このシステムを使えば、この求人サイトに日本企業が求人票を掲載し、ベトナム人が応募するということが可能だろう。「ロータス社」のような国際的な投資ビジネスは、インターネットが不可欠だから、こういう採用方法からの求職者が好ましい。この制度の詳細は、もう少し調査する価値がある。

 なお数日前に、ベトナム株式のインサイダー取引規制について書いた。これについて皆無ではない。「ロータス社」の社長に就任したタイ氏の妻は、勤務している銀行の勤務部署を変更させられたそうである。インサイダー情報の流出防止のためである。また、新しく採用した会計主任は、今まで勤務していた銀行を24時間以内に退社しなければならない。顧客の秘密保持のためだ。これらは外資系企業の事例だが、ビジネス金融情報の不正防止のための規制は次第に進行するとみなされる。

 では、これから、ホテル近くの馴染みの「フットマッサージ」に出発だ。その後に空港である。以上、今回の出張も有意義であった。吸収情報は満載だ。現場の生の情報は、やはり話して聞くことだ。さらに現場の臭いや体感がある。これに加えて、こちらで仕入れた新しい本や雑誌を日本で読むと、これで「五感」でベトナムを研究することになる。これが理想の「実学」の研究方法ではないか。

 買い物の帰りのタクシーで、ハノイ出身の運転手が最後に「シンカモン・ザオスー」と声をかけてくれた。「どうも、ありがとう。教授」。けっして運転手は冷やかしで言ったのではなかった。通訳のThamさんに買い物を依頼していて、その間にタクシーの中で運転手と話していたのだ。少しのチップで、ちょっと親しみと尊敬を込めた挨拶が返ってくる。こんな経験は新鮮だ。この言葉によって、新たな気持ちで、新年を迎えることができるような気がした。ベトナムに感謝である。

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