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2006年12月26日 (火)

ハノイの仕事2:「ロータス投資管理会社」の戦略会議から

 午前中は、会計担当者の採用面接をした。会計の仕事は、ベトナム企業では重要で高給だ。月額1000ドル以上は当たり前だそうだ。履歴書や面接の印象は非常に優秀そうに見えた。タイ社長も「強い候補者だ」と本人に伝えていた。本人は現在は外資系銀行に勤務しているが、やはり現状の仕事が面白くないそうである。優秀なベトナム人は、もちろん給料も大切だが、その仕事の「やり甲斐」を重視する。このことは、2001年の科学研究費補助金の研究成果と一致する。この研究は、労働者を対象にしたアンケート調査であったが、それは大卒スタッフのレベルでも妥当すると思われる。

 今後のベトナム進出企業は、従業員の「やり甲斐」に留意しないと転職が発生する可能性は高い。今回の私が体験した面接の使用言語は英語だったが、どの候補者も流暢だったし、コンピュータ使用の経験も豊富だ。優秀なベトナム人を実感できた。もしベトナム人が優秀でないというなら、それは、ただ知らないことが多いだけだ。このようなギャップは、すぐに埋まるだろう。優秀なベトナム人を活用する日本企業が、ベトナムだけでなく日本でも成功の要因となる時代が来ると思われる。

 さて、弊社が設立支援した「ロータス投資管理会社」は、ベトナムにおける投資管理会社の中では11番目の会社だ。今年認可された5社の中の1社である。すでに大筋での認可はあったが、正式認可が27日の予定だ。本年の最も遅くに認可された最低資本金(50億ドン)の会社だ。まさに時間も資金もギリギリの状態だったが、いくつかの障害を乗り越えたという満足感は大きい。新年から、新しい証券法が適用され、最低資本金は5倍になる。

 日本の証券業界は、最近のことは知らないが、(財)日本証券経済研究所に私が勤務していた20年前は、業界内に家族的な雰囲気があった。市場商品を扱うのだから、株価が上昇すれば、どの会社も潤うし、その反対はどの会社も苦しい。この意味で、連帯感や同族感があったように思う。ソン会長の話を聞いていると、ベトナムでもそのように思われる。国家証券委員会の実質的なトップであるブーバン副委員長が、「これからは家族の一員として一緒に仕事をしましょう」と述べたそうである。私見では、ソン会長の誠実な人柄が、いくつかの障害の克服に寄与したのだと思う。

 新年から、証券業務について証券会社と証券管理会社の区分が明確になる。「ロータス投資管理会社」は、一任勘定の口座管理が可能である。これは大口投資家向けである。今日の「ロータス社」の戦略会議では、日本の大口投資家の対応が問題になった。その金額は100万米ドル以上とすることになった。

 次の問題は、日本から弊社に直接に口座開設を受け付けるか、証券会社など金融機関を通して受け付けるかである。後者の場合、金融機関に仲介手数料が支払われる。ロータス社は日本人向けの投資運用会社であるから、直接の口座開設を認めることが望ましい。いわば高額所得者層向けのプライベイトなベトナムファンドとなる。ただし、これに伴う日本の税制の問題などの調査や顧客管理ノウハウを学ぶことが必要だ。そこで当面は、日本の金融機関との契約に基づく口座管理になる予定だ。

 100万ドルなんて金は、どこにあるんだ!! ふざけるな!! こういう場合は証券会社などが募集する投資ファンドを購入してもらう。たとえばユナイテッドワールド証券が募集するベトナムファンドは10万円から投資できる。ただし同社のファンドは、既存のインドチャイナキャピタル社に運用を任せている。わが「ロータス社」に任せたいという投資家は、「ロータス社」と契約している証券会社や金融機関の投資ファンドを購入しなければならない。これは現在、商談中である。

 投資運用会社の成績に相違があるのは明白である。これからは、運用成績を見て、ベトナム投資ファンドを選択する時代だ。私見では、この1年間のベトナム株式市場で約2倍の株価上昇は普通だが、それが30%前後というのは、その運用会社が、優良株式を優良顧客に振り分けているからだ。

 「ロータス投資管理会社」は、日本人の投資家向けに当面は特化した営業をする方針だが、それ以外の投資管理会社は、たとえば欧米の大口投資家に優先的に優良株を回して、日本の投資家には、それ以外の株式を所有させているのではないか。タイ社長は、このことに同意し、「ロータスは公平にやる」と言明した。それは当然だ。透明性のある運用は当然だが、日本人向けの投資管理会社が存在しなかったのだから、窓口の証券会社から先の運用会社の段階で何となくウヤムヤになるのだ。日本人に理解できるように説明してくれるベトナムに精通した担当者がいないのだから、しかたがない。

 この日の午後は、何人かのベトナム在住の日本人の方にお目にかかり、いろいろお話を伺った。その後の夕食は、会社設立記念の小さなパーティをした。初対面のベトナム人を私が紹介することになったが、みんながハッピーだった。この様子は、次の機会に紹介しよう。この夕食のバーバー(スッポン)料理で私は元気を回復した。

 なおベトナム人は、「みんながハッピー」戦略、つまりWIN・WIN戦略の意味を即座に理解する。そういう社会風土や社会背景がある。そういう発想のビジネスは必ず成功する。ベトナムを利用して儲けようとするだけの戦略は、ベトナム人が必ず見抜く。そもそも外国人を信用しない国なのだから、そういう国を相手にする場合、こちらが信用してみせないと、相手の心は開かないだろう。もともとベトナムは悪い国ではないのだから、まず、こちらが信用してみせることだ。もちろん手順を踏んで慎重にだ。

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