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2006年12月 9日 (土)

ベトナムWTO加盟は「明治維新」か「GHQ改革」か

 昨日、ハノイJETROセンター・投資アドバイザーの荒川研さんに国際電話した。中国・華南から陸路でハノイを訪問した調査ミッションの対応で大変だったと言われていた。私も以前に陸路で東興からモンカイのコースを2回ほど試したが、おそらく商用ルートはランソンからの入国だろう。ランソンからハノイは高速道路も完備しており、約2時間ほどの距離ではなかったかと思う。

 さて、荒川さんとの会話の中で印象に残ったのは、「最近のベトナムは、まるで明治維新のようだ。今までは江戸幕府の下での勤王や佐幕といった話だったが、今やビジネスのスピードや規模が違う」。荒川さんは、これがWTO加盟後のベトナムの現状という意味のことを指摘されたのだと思う。

 これに対して私は、ベトナムのWTO加盟が、戦後日本の「GHQ改革」や韓国の通貨危機後の「IMF改革」に匹敵すると指摘したことがある(本ブログやIBPCセミナーなど)。ベトナムのWTO加盟が「明治維新」に近いか、または「GHQ改革」に近いか? このような問題設定は、ベトナムのWTO加盟の意義や方向性を日本人が考える場合のひとつの分析視点である。

 いずれの改革に近いにしても、大きな外圧がベトナムを襲うことは共通している。GHQ改革は、占領軍としての米国の絶対的な命令に基づく改革であったが、現代のベトナムは、そのような状況ではない。国家主権はベトナムに存する。他方、明治維新は、欧米列強が日本の開国を迫る背景があり、その後の明治政府は「富国強兵」政策を推進して、欧米に対抗しようとした。

 このうように考えれば、ベトナムのWTO改革は、明治維新に近いと言えるのかもしれない。たとえば、このブログで紹介したG7マートのVU社長は、列強の流通企業のベトナム進出に対抗して、ベトナム国内の小売店舗は団結しようと訴えた。この主張に共感して、500店舗を超える小売店がフランチャイズチェーンに加盟してきた。

 他方、明治政府は、富国強兵の路線を突き進み、領土拡大のための戦争に至る。そして太平洋戦争に続く。ベトナムの場合、これは当てはまらない。今まで以上に民主化や市場経済の開放が進展するだろう。この観点からは、ベトナムのWTO改革は、GHQ改革に相当する。日本の政治的・経済的な民主化がGHQによって進展したことは歴史的な事実だ。

 日本の歴史上で大きな改革である「明治維新」と「GHQ改革」。この両者を想起しながら、WTO加盟後のベトナムを観察することから、何か新しい指摘ができるかもしれない。ハノイで荒川さんにお目にかかり、いろいろお話しするのが楽しみである。

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