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2006年11月10日 (金)

JICA主催・PREX実施「ベトナム人研修」の印象:貿易大学の先生たち

  2006年度「ベトナム日本センター」ビジネスコース講師受入研修が、10月15日~11月11日の約4週間に渡って実施された。この研修は、JICA(独立法人・国際協力機構)が主催し、その実施をPREX(財団法人・太平洋人材交流センター)が受託した。私は、その中で課題設定(10月16日)と総括講義(11月9日)、さらに流通科学大学での講義や学生交流(10月17日)を担当した。

 来日の研修生は、いずれも貿易大学に所属するミン先生・ンギャ先生・ザン先生・ハン先生の4名。さすがにベトナムのトップ大学。どの先生も優秀で魅力的だ。なお上記の「ベトナム日本センター(VJCC)」の施設は2002年1月にハノイ、その後にホーチミン市に建設され、そのいずれもが貿易大学の敷地内にある。

 これまでのODA(政府開発援助)は、その国のインフラ整備を目的とした「箱物」の建設に使用され、それが本当に効果的かどDsc08925うかという疑問が常に提起されてきた。これに対して、最近は「人材育成」が強調される。日本センターはその象徴的な支援拠点である。施設の建設後も、その後のカリキュラムや教育内容が指導され、その国の人材育成や文化交流に貢献することが目的とされる。この研修では、そのセンターのビジネスコース担当のベトナム人講師に日本企業の実態を見聞してもらって、ベトナムでDsc08886のビジネス教育の効果(=説得力)を向上させることが意図されている。

 写真上は、研修の全日程が終了して拙宅でくつろぐ研修生。それにPREXの田中さん・村瀬さん・通訳の橋本さんである。写真下は、流通科学大学の講義終了後、学生との記念撮影である。この講義では、対話型の事例研究を実施。ベトナムの流通システム改革やG7マートの事業展開について、活発な質疑応答や議論ができたと思う。

 今回の研修の印象は、ベトナム人教員の熱心さと優秀さである。これは、どのベトナム人研修生にも言えることだ。新しい発見は、その深い思索力もしくは思考力である。これは大学教員に必要な資質だが、その一端を若手教員から今回は感じることができた。もちろん、これまでにもベトナム人の年配教員からは、いろいろ学ぶことはあった。また、ベトナム人大学院生からも語学力や数理分析の優秀性を実感する。それに加えて今回、若い教員から、その両者を感じる取ることができた。

 ちょうど若い頃の才能が、その後の経験の蓄積によって、より深い思考力に発展していく。特にンギャ先生と話していて、そのように感じた。彼はドイツ留学後、現在は経営学部長。帰国後は管理職としての多忙な仕事も待っている。

 私は、ドイツとアメリカの経営学の双方を学び、ベトナム独自の経営学を創造してほしいと彼に期待を述べた。それに対してンギャ先生は「日本の経営学からも学ぶことは多い」と応えた。さらに私は「研究者は創造性・独創性が命だ」と指摘した。この回答は「まだまだベトナムは保守的ですから」というものだった。

 彼は今年41歳。ベトナムの改革開放(ドイモイ政策:1986年)の進展と共に青年時代から壮年時代を過ごしている。彼は、ドイモイ以前の保守的世代と、ドイモイが当たり前の改革開放世代の中間に位置している。この世代が、今後のベトナムの求心力の中核勢力であると私は思う。WTO加盟で加速する改革開放勢力と、ドイモイ以前の保守勢力の調整役だからである。

 ベトナムの将来は40歳代にかかっている。このようなことを感じることができた研修であった。貴重な機会を提供していただいたJICAおよびPREXの皆さんに感謝したい。

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