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2006年11月28日 (火)

ベトナム株式投資の売り抜けるタイミング:大前研一氏からの重要な教訓

 経済評論家・経営コンサルタントとして著名な大前研一氏が、「ここがズレてる!日本人の金銭感覚」という論考を発表している(『プレジデント』2006年9月4日)。この中で大前氏はベトナム投資について特に言及していない。しかしベトナム株式投資について学ぶことは多い。以下、その論点を紹介し、ベトナム株式投資の含意を指摘しておこう。

 (1) 「日本人というのは、つくづく貯蓄以外にお金とのつき合い方を知らない民族だと思う」。現在も日本は依然として低金利が続いているが、その対抗策を日本人は考えず、自らのお金を貯金や預金に放置している。今後は、世界を相手にした「金銭感覚」を養うべきだ。

 (2) 世界そして日本で儲けているのは「外国人投資家」だ。株式投資のタイミングは「ヘッジファンドのような海外ファンドが入ってくる時に一緒に始めて、彼らが出ていく時に手仕舞いするのが一番賢い」。しかし「日本人は何時もテンポがずれていて、挙げ句、「高値で買って底値で売る」羽目になる。これはもう国民的特技と言ってもよい」。

 (3) 「経済や投資をメディアも経済評論家も未だにファンダメンタルズで解説しようとするが、それは19世紀の考え方で時代遅れも甚だしい。今の世界のお金の流れはファンダメンタルズとは関係ない。では何が影響力をもっているかと言えば、世界を動かしているのは一握りのトレーダーやファンドマネージャーの「集団心理」だ」。

 (4) ある一つのテーマが決まれば、そのストーリーに従って資金が、たとえば為替相場に一斉に集まり、さらに次は「世界中の新興国を席巻してバブルを演出する」。投資商品に国境はない。誰かが「これからはコモディティだ」と言えば、世界中の余資は工業品や商品に向かう。

 (5) 「彼らの発想は極めてグローバルで、お金が国境を跨いだ時に一番美味しくなることを良く知っている」。資金が流入し始めれば、「その瞬間から、鞘を抜けば大儲けができる」。

 (6) 「3割・4割増の資産運用は当たり前。住宅すら投資対象の運用商品にしてしまうアメリカ人のアグレッシブな金銭感覚を日本人はもっと学ぶべきだ。マネー雑誌を読みながら、0.1%と0.3%のどちらがいいかなんて目くそ鼻くそを比較しているようではどうしょうもない」。

 (7) 「家を抵当に入れたらどれだけ借りられるか、生命保険でどれだけ借りられるか、中古車でも何でもお金に換えられるものはすべて換算して、そこから借金を差し引いたものを「貯蓄」と考える」。

 以上、大前氏の文章のいくつかを抜粋・要約した。株価動向は、欧米の投資ファンドの動きに留意する。また、これからの資産運用は世界的な視野で考える。要するに、この2点が重要だ。私も同感だ。私は以前から疑問に思っていたが、たまたま日本に生まれた日本人というだけで、どうして、大地震の確率が高い日本に長期住宅ローンで家を建てなければならないのか? 宇宙人が地球を見たら、果たして日本に住みたいと思うのだろうか? 住宅ローンを払い続けている立場からの私の率直な気持ちだ。世界に目を開く。世界に目を向ける。ますます、これからの日本人に必要である。

 これらの指摘を考慮すれば、ベトナム株式投資の留意点は次のようになる。まず、新興国ベトナムに向けた世界の投資ファンドが、これから動き出す。これまでの金銭感覚から脱却して、このようなベトナム投資の動向を傍観しない。これが以下の留意点の前提である。

 (1) ベトナム株式投資では、欧米の証券会社・投資ファンドなどの発言や動向に注目する。彼らが「ベトナム投資ブーム」を言えば、その時以降に彼らは売り抜ける可能性が高い。それが彼らの常套の手口とみなされる。

 (2) ベトナム株式投資の現状は、私見では、有望株式を仕込んでいる段階だ。まだまだ投資は間に合う。大量の資金をファンドで集めながら、それを依然として現金で保有する投資管理会社が多くある。おそらく適当な投資対象が見つからないからである。さらに現段階でのバブルを警戒しているからである。今後、公開株式や上場株式が増加してくると、それに応じて、それぞれの企業価値を評価しながら着実に株式を仕込む。

 (3) 今のベトナム株式市場で、大量の株式を一気に購入してしまえば、バブル発生である。それは時期尚早だ。さらに高値での売り抜けができない。そこで今は、しっかり株式を仕込んでおく。そしてその後にバブルを扇動する。大前氏が説明する欧米ファンドマネージャーなどの手口はこれだ。このバブル時に売り抜けて、生成期のベトナム株式市場における利益の収穫は終了する。

 (4) この「バブル」の扇動が始まるタイミングを見逃さないことが、今後のベトナム株式投資で利益を上げるための最大の要点だ。大前氏の指摘に従えば、このタイミングは、日本人がベトナム投資を本格的に始める時だ。日本人はテンポがずれていて、「高値で買って安値で売る」。この高値で売り抜けることが、すでにベトナムに投資している投資家にとって今後の最大の課題だ。このような観点からは、日本の大手証券会社のベトナム投資の動きが、このタイミングを計る尺度となる。

 以上、ベトナム株式投資の展望である。早くしないと間に合わない。早ければ早いほどよい。高値で売り抜けるための仕込みの絶好の時期は、ベトナム株式市場の発展の歴史の中で、まさに今である。

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