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2006年11月17日 (金)

ベトナムで新発売:ホンダ=シビックの苦戦?

 私が8月にベトナム滞在中、バイクでは圧倒的な人気を誇るホンダ=ベトナムが四輪乗用車シビックを発売した。1_2  
 写真は、ホンダ・シビックのハノイの販売店である。トヨタベトナムが、全面ガラス張りの大型ショールームの販売店を展開しているのに比べて、意外と小規模な店構えである。

 ホンダはバイク。トヨタは乗用車。このように従来は棲み分けていたのだが、ホンダは「顧客の需要がある場所で生産する」という方針があり、乗用車市場に参入を決めた。

 このホンダ=シビックが苦戦している。発売後2ヶ月で約100台を販売しただけである。顧客の期待に比較して、その数字は大きいとは言えない。このような販売苦戦の最大の理由は高価格である。

 I love Vietnam というスローガンによって、ホンダ=ベトナムは良い企業イメージの形成に成功した。しかし、乗用車での価格は他社と競争的であるものの、顧客にとって高すぎる。 ホンダが、平均3万7千500ドルではなく、2万2千から2万5千ドルの販売価格を設定していれば、よく売れたはずである。ホンダは、顧客に受け入れられる価格ではなく、自社の利益を優先した価格を設定したとみなされる。

 ホンダ=ベトナムが、高い価格を設定した理由は次の通りであろう。ベトナム政府が2010年までに自動車関税を引き下げると、それに応じて価格は下落する。したがって今のうちに国内自動車メーカーは利益を上げておこうと考えた。

 ベトナム人顧客は、現在の価格政策のホンダ=ベトナムを他の自動車メーカーと同じとみなすであろうし、輸入車の税金を政府が下げるのを待つであろう。(以上、Vietnam Economic Times, Issue 152,October 2006,p.42 を引用・要約)。

 ホンダ=シビックの展示発表会が8月にハノイのメリアホテルで開催された。そこで偶然に会った知人のベトナム人は「高い」という感想を述べた。その時の私の返事は「でもデザインと品質は良いんだよ」であった。

 そうは言うものの、やはり高いというのが顧客の反応の大勢だったということだ。さらに、ホンダならもっと安い価格設定にしてくれるという顧客の期待が裏切られたのである。

 しかし高いには別の理由があると考えられる。私は、乗用車発売後にホンダ=ベトナムを訪問していないが、おそらく輸入部品が多くて、なかなか価格は下げれなかったのだと思う。このような事情が、ベトナム人には理解されない。「すそ野産業」が形成されなければ、現状ではコスト削減は難しい。

 なお、この記事のより重要な一般的な教訓は、WTO加盟後の改革によって、たとえば輸入関税の引き下げが予想される場合、買い控えが発生することである。他方、各種の改革によって価格上昇が予想される場合、駆け込み需要があるだろう。この意味で、今まで以上に、ハノイにおける政府情報の重要性が増大していることを指摘しておきたい。それが市場動向を左右することになるからである。

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