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2006年10月29日 (日)

第7回・国際シンポジュウム「グローバル経済時代の国家と企業」に出席:大阪商業大学を訪問

 昨日28日・土曜日の午後に大阪商業大学に伺った。第7回・国際シンポジュウム「グローバル経済時代の国家と企業」に出席するためである。

 このシンポジュウムは、同大学比較地域研究所、中国の上海財経大学亜州経済研究所、韓国の江原大学校産業経済研究所の共催。以前にお目にかかり、親しくしていただいた同研究所長の瀧澤秀樹教授は、韓国・朝鮮に関する日本屈指の専門家である。

 国際会議で問題になるのは使用言語である。通訳者の費用を節約するために、通常は共通言語を英語ですませることが一般である。しかし、この会議では、日本語と中国語と韓国語が入り乱れた。報告の予稿集も、3カ国語の併記である。司会の瀧澤教授は、日本語と韓国語を駆使されて、進行役を務められた。これは新鮮であったし、今さらながら瀧澤教授の力量に敬服した。

 個人的に関心があった報告は、大阪商業大学・菊池光造教授の「グローバル経済下の日本企業と外国人労働」であった。最近、ベトナム人の派遣労働者を受け入れる動きが私の周辺でも活発になっているからである。以下、簡単に菊池教授の報告を紹介してみよう。

 2004年現在、研修生5万7050人、技能実習生4万993人が日本に滞在している。通常、研修が1年間、その後に実習生として2年間の滞在が認められている。この制度は、1991年に法務・外務・厚生労働・経済産業・国土交通の関係5省の共同管理の形で、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)が設立されたことから始まる。本来の趣旨は、「途上国の自立と経済発展を支援する」ことだが、実際には日本企業の「安価で勤勉な外国人労働者獲得の手段」になっている場合がある。

 この研修生の受け入れ手続き代行、企業への研修生斡旋をビジネスにするエイジェントが1990年代に無数に誕生し、現在は労働者派遣業者が業務の一環としてこれらを実施している。この業者の中には、中小企業に対して当初から外国人低熟練労働者導入・低賃金雇用の手段として、この制度利用を奨励するものがあり、それだけに、研修生・実習生受け入れ後に問題を多発させている。

 私見では、この問題の実態的な解明を通して、より望ましい制度改革が緊急に必要であろう。人口減少が始まる日本において、特にEPA(経済協力協定)締結に向けて日本とベトナムの協議が始められようとしている今、外国人労働者の問題は十分に検討されなければならない。

 菊池教授の次の指摘は重要である。「バブル景気のピークで労働力不足が深刻だとされた時期に、現実には国内に130万人以上の完全失業者が存在したことは指摘しておかねばならない。不足していたのは、安価かつ勤勉で不満を述べることが少ない労働力だったのだ」。これは、日本経済および日本社会のあり方それ自体を再検討しなければならないことを示唆している。

 日本の経済社会の底辺を構成する外国人労働力を土台にして、将来に「美しい国」が創造されたとしても、それは国際的な批判を浴びることは必至である。表面的に「美しい国」を厚化粧で取り繕っても、そこからの腐臭は消し去ることはできない。このような外国人労働者の問題のみならず、最近の教育問題も含めて、日本という国家における人間社会の有り様や将来を真剣に検討する時期が来ていると思われる。

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