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2006年10月31日 (火)

野村證券、いよいよベトナム株式投資か?

 ベトナム株式市場の現状や動向を日本語で知るためには、インターネット上の「ベトナム株式情報」(http://viet-kabu.com/)が便利だ。

 この情報によれば、先日のズン首相の来日時に同行したベトコンバンク頭取は、日本の金融機関各社と会談した。そこで、その中の野村證券が、証券取引の分野でベトコンバンクと提携する意志があることを示した。

 これが「リップサービス」か「本気」かは別として、いずれにせよ、ベトナム証券投資の魅力が高まっていることは間違いない。さらに、もともと野村證券は、ベトナム証券市場の発展を支援・協力することを意図して、「野村ハイフォン工業団地」を建設した経緯がある。この工業団地の立地場所は、私の記憶が正しければ、当時の共産党書記長であったムオイ氏本人または親族の出身地という話であった。

 今日では、同工業団地の分譲は完了し、投資は成功したと判断できる。しかし他方、本業の証券分野で野村證券は、日本のバブル崩壊後の「証券スキャンダル」事件に巻き込まれ、その当時に即座に収益を期待できないベトナムにまで対応する余力がなかったと思われる。

 この野村證券が、いよいよベトナム進出の意思表示をした。この動機は、基本的に顧客のニーズに対応ということであろう。私見では、ベトナム証券取引の近代化・コンピュータ化の進展に応じて、日本の大手証券は進出を決定するだろうと予想していた。しかし、それでは遅すぎる状況が生まれてきたと言えるかもしれない。本年度末のWTO加盟によって、来年以降の米国投資銀行のベトナム投資が活発化すると考えられるからだ。

 ベトコンバンクなど大手有力金融機関と早急に提携・協力関係を締結しておかないと、有望なベトナム証券市場において、米国金融機関の後塵を拝することになる。それでは、何のために苦労して工業団地まで建設したのか。野村證券の本音は、こんなところであろう。

 これから年末そして来年にかけて、ベトナム株式市場に対する資金流入が増加することは確実である。より具体的には、先日に募集のあったユナイテッド・ワールド証券の「ベトナム民営化ファンド3」などの株式買い付けが本格化するからである。また、すでに紹介したように米国メリルリンチ証券の株式売買も始まる。このように株式需要は拡大する。

 他方、株式供給も十分である。2005年企業法(2006年7月1日発効)の下で操業を望む国有企業は、2010年7月1日までに有限責任会社または株式会社に転換することが決定しているからである。私見では、このことが株式公開を促進することは間違いない。つまり投資対象企業が確実に増加するということだ。

 比較的安く株式を購入することが株式投資の鉄則だから、株式の需要増大で株価が上昇するばかりでは、より大きな投資収益は期待できない。供給の増大も必要だ。この意味で、ベトナム株式市場の需要と供給は、その双方が増加する局面が明確になってきたと言える。つまり、株式市場は確実に発展している。

 株式市場の発展の歴史を考えれば、たとえば戦後の財閥解体後に民間放出された三菱商事の株式、さらに新規上場するトヨタ自動車のIPO株式を買っておけば、今は何倍に儲かっているか?こういった質問がありうる。しかしそれは無意味だ。歴史は後戻りできないからだ。しかし同様のことが、異なった国で繰り返されることはありうる。私はそれが、今のベトナムだと思う。 

 ベトナム株式市場の展開は、日本最大手の野村證券が動き出すことで、いよいよ加速されるだろう。これを面白いと思わないで、ベトナムビジネスを語ることはできない。ベトナム株式市場の歴史的な発展を考えれば、投資の機会は今しかないと私は確信している。

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