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2006年9月10日 (日)

ベトナムIPO株式入札の事例紹介:「投資セミナー」の補講

 国有企業ベトナム石油会社傘下のPTSC(石油技術サービス会社)の株式公開に伴う入札が8月23日に締め切り、8月28日に実施された。

 この入札事例の教訓については、ユナイテッドワールド証券が主催した「ベトナム株式投資セミナー」(9月10日、八重洲富士屋ホテル)の講演で紹介しようと考えていたが、時Dsc08761 間の都合で割愛した。

 同社は国営企業であり、石油関連の製品・部材・設備の生産・経営・輸出入、ホテル・ビル・アパートの運営・サービス提供、石油関連の物流・港湾運営、石油開発サービス、石油関連工事の施工・メンテナンス等を行っている。そのほかのデータは以下参照。

>法定資本金1,000,000,000,000VND(=6,250万ドル)
>2004年末会社純資産価値:2,131,162,806,541VND(=1億3,320万ドル)
>社員人数:2,692
>売上高: 2004年:2,345,000,000,000VND(=1億4,656万ドル)
               2005年:3,292,000,000,000VND(=2億575万ドル)
>税引き後利益2005165,726,600,000VND(=1,036万ドル)
>社員平均所得:20055,000,000VND/1/1月(=313ドル)
>総資産利益率(ROA)2003年:5.3
                     2004年:5.43
                              2005年:6.92%
>自己資本利益率(
ROE) 2003年:15.13
                                 2004年:14.04
                              2005年:14.84
>固定資産:
船舶・石油専用設備・港湾・不動産・運搬設備など

 8月28日の公募発行株競売では、法定株式の37.3%(37,298,700株)を売り出す。そのほかの株主は政府所有60%、従業員所有2.7%。この株式は額面価格が1万ドン、最低初値は1万500ドン。

 入札の結果、購入希望株式数は220,318,000株で入札株式の5.91倍に達した。適格投資家は3,923名。入札成功投資家数は216名。この倍率は18.16倍。この216名の内訳は個人が203名、機関(法人)が13名であった。最低入札価格は36,100ドン。

 

 機関(法人)の入札申し込みは、3,923名中85名であった。この機関とは、いわゆる機関投資家だけでなく会社も含まれている可能性はある。そうは言うものの、通常は株式投資のプロと考えられる機関の入札成功率は大きくない。

 

 このことは何を意味するか。消息筋によれば、たとえばベトコンバンクの入札価格は3万2千ドル、またPTSC取締役の入札価格は3万ドンを下回っていたと言う。このことは、同社の入札の適正価格は3万ドル前後であり、それ以上は割高な価格ということになる。その原因は、個人投資家が企業価値以上の価格で入札したからと考えられる。

 

 つまり、入札時に株式取得できれば、必ずもうかると単純に考えた個人投資家が高値で入札したと想像される。確かに同社は優良企業であるが、入札で3万6千ドンは高すぎる。すでに本ブログでも紹介したPVD(ベトナム石油採掘会社)の入札最低価格は1万4千ドン前後であった。

 

 こういった株式は、公募入札後の店頭市場における株価の値上がりは期待できないように思われる。それに耐えられない個人投資家が売却し、それを機関投資家が買う。投資効率を最優先にすれば、過剰に評価された割高な株式を入札できなかったとしても、それほど悲観する必要はない。

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