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2006年9月18日 (月)

ベトナムに継承できる精神と情熱:流通科学大学シンポジュウム「流通革命は終わらない」開催

  RYUKAフォーラム2006・流通シンポジュウム「流通革命は終わらない」が、故・中内功ダイエー創業者の一周忌(9月19日)を記念して流通科学大学で開催された。このパネラーがスゴイ。平均年齢80歳を超える老いて盛んな「流通革命」の戦士たちだ。

「060918.wmv」をダウンロード  これは、TVのニュースで放映された故・中内功氏の胸像の除幕式、そしてシンポジュウムの様子である。大学の広報部から提供された映像ファイルである。

 伊藤雅俊氏:(株)セブン&アイ・ホールディングス名誉会長
 岡田卓也氏:イオン(株)名誉会長相談役
 西川信男氏:ユニー(株)特別顧問
 清水信次氏:株)ライフコーポレーション代表取締役会長兼CEO
 緒方知行氏(コーディネーター):(株)オフィス2020新社取締役主幹。

 伊藤氏:格差社会の到来と言われるような変化の時代で考慮すべき大切なことは、次の4点だ。①顧客が何を欲するか。②従業員はどうなっているか。③取引先を含めて時代のスピードにどう対応するか。④顧客の視点で安全性など社会を考える。

 岡田氏:世の中も変化、顧客も変化、地域も変化。この変化の中で顧客のために店があるという観点から、不断に革新していく。変化のスピードに対応できないと時代遅れになる。日本の士農工商という意識が今も残っている。これは上下関係でなく、時代の流れであるべきだ。

 西川氏:日本の小売業には欧米の先輩がいた。そこから①多店舗経営の成長戦略、②小売業は立地業、③ドミナント戦略(足下を固めて拡大する)を学んだ。今までの成功例が当てはまらない時代が来た。未来は過去の延長ではない。過去を捨てることも経営者の能力だ。

 清水氏:金融ビッグバン(米国からの金融開放圧力)にダイエーは犠牲となった。本当に中内さんにお世話になった。中内さんは言った。「清水、国家は怖いぞ。我々も気をつけないと。国家は生命財産を守るが、その逆をすることもある」。「流通は国家なり」。「流通は平和産業」。

 4氏に共通した意識は、時代の変化のスピードである。このスピードに対応できなければ、企業は存続できない。ベトナム流通革命の旗手であるG7マートのヴゥ氏も、この認識は共通している。早く改革したい。早く改善しないとWTO加盟に間に合わない。

 より一般に、ビジネスはスピード重視。昨日の松下電器の安積氏も同様の認識であった。そのためには、より具体的に意思決定と実行の迅速化だ。よいと思えば、実行あるのみ。これは創業期には可能でも、組織が大きくなれば難しいのだろう。それを可能にするために組織論が求められる。

 私見でも、変化の時代はチャンス。たとえば10年前に、だれがベトナム株式投資で儲けることを考えただろうか。実際に儲けているのに、未だに信じない人がいる。先入観と固定観念と偏見に執着する人だ。不変の信念があれば、それなりに安心する。その信念が偏狭で誤りであったとしてもである。だれでも変化を認めるのは不安だ。流動的で柔軟な状態では不安を感じて落ち着かない。

 この対処法は、時代の変化を素直に受け入れて認めることだ。「鳥の眼」・「蟻の眼」と同様に「魚の眼」が重要だとブログで紹介し、それを私は何度か強調した。時代の潮流を的確に見る。無理をしない。流れに逆らわない。しかし流れに身を任せる必要はない。

 これまでにラオスのパクセー近郊からメコン川を眺めたことがある。天気の良い日は表面がキラキラと輝くが、その水は肥沃で黄土色だ。しかし流れは意外と速く、船で横断するときは放物線をイメージして、やや上流に船首を向けないと対岸の目的地に着かない。メコン川を眺めているだけでは、この流れが理解できない。

 この「放物線をイメージする」という意味は、企業の経営戦略のことだ。自分の目的を持たない人は、川に入る必要もない。対岸に新しく魅惑の大地が広がっていても、それを川のこちら側から眺めるだけだ。川の流れに不安と抵抗がある。このように思う人は、「魚の眼」をもっていない。流れを読むことができれば、流れを恐れる必要はない。計画通りに、そして軌道修正しながら目的に向かって流れの中を進めばよい。

 昨日のアジア経営学会では研究者として勉強したが、今日の流通シンポジュウムでは合同会社TET・社長として勉強した。これら双方からの勉強に基づいて、学生に教育できることが理想である。

 なお今日から、ラオス清掃ボランティア活動が女子学生7名によって始まった。予定では午前中に、ラオス内閣府の科学技術環境庁を表敬訪問。その後、ラオスのボランティア活動の大先輩である富永さんを訪問。夕食は、ラオス青年同盟の青年を交えてラオ繊維博物館でウェルカムパーティー。昨日の国際電話では全員の体調は良いようである。Tシャツも完成し、エースコックベトナム社から寄付していただいた即席ラーメンも届いている。この活動は、故・中内功の遺志でもある。成功の報告を期待したい。

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