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2006年8月 8日 (火)

ホーチミン市2日目:ベトナム人の実力を考えさせられた

 午前中は、インターネットカフェで仕事をした。日本に国際電話をかけたが、インターネット経由の電話だと、5ドルで180分間話せる。カードを買って、その番号とPIN番号を入力すればよい。ベトナムの国際電話は高いと言われてきたが、それは過去のことである。

 その後の昼食は、ベトナム株式投資家として既に数年前から活躍されているP氏ご夫妻とご一緒した。奥様は2回目のベトナム訪問ということであったが、P氏は何度もベトナムに来られて、ベトナムの証券会社に口座を所有され、さらに営業マンと親密に接触され、IPO(初回公開)株の購入も進められているそうである。P氏はベトナム在住の経験もなく、ただ旅行者として訪問した時に、ベトナム経済の成長性に魅力を感じ、それまでの中国株投資の経験を生かして、ベトナム株式投資を始められたそうである。まさに「国際投資のプロ」なのだが、お人柄は円満そのものである。そういう雰囲気が、まさに「プロ」なのだと思う。

 昼食後には、ホーチミン市人民委員会の越僑委員会チュン会長にお目にかかった。越僑(海外在住ベトナム人)の投資動向を調査するためである。日本人は、越僑の資金がベトナムに送金されて、それがベトナム経済の活況を支えているという先入観がある。確かに、家族に対する送金は公式に年間30億ドルであるが、非公式な送金を含めると総額60億ドルとみなされている。これは毎年10億ドル程度増加しているそうである。これは大きな金額である。これらが不動産投資に向かっていても不思議ではない。

 しかし、国内ベトナム人の可処分所得を過小評価してはいけない。チョン会長のお話によれば、越僑の送金は毎年増加しているが、投資についてはベトナム人が大きい。越僑の投資は、それほど大きくないということである。この委員会は、越僑の投資などの窓口になる公的機関であるから、その実態を的確に把握していると考えられる。

 昨日のG7マートのタオ副社長もベトナム人である。越僑資本というわけではない。また最近の工業団地の造成ブームを考えれば、それらの土地の使用権を売却したベトナム人(卑近にいえば「土地成金」)が、最近の消費ブームを支えていると考えられる。また越僑は、ベトナム株式投資にも慎重と言われている。ベトナムのことを知っているだけに、ベトナムの投資は慎重とみなすことができる。

 以上、ベトナム人自身の所得向上が、外的な越僑資本よりも消費経済に与える影響は大きくなっていると推察される。

 夕方に、ビンズン省ビンズン市共産党委員会ディエップ氏と話をした。共産党の汚職問題の対策は、これまでは掛け声だけだったが、今国会で成立した汚職防止の法律が7月1日から施行され、地位に関係なく法律で汚職は取り締まられることになったそうである。また、WTO加盟によって市場経済は加速するが、社会主義の目標は堅持されることも指摘された。しかし、そのための方法は、唯我独尊的な独自の路線を採用するのではなく、周辺国・地域との協調や調和を考えながら、徐々に目標に向かうと言うことであった。これは、現在のベトナム共産党の公式な見解と考えられる。さすがに理論的にしっかりしている。

 ディエップ氏が拙宅でホームステイしたのは、2000年ということであった。私は正確に忘れてしまっていた。彼の外国訪問は、日本のほかに中国であり、日本の印象は鮮明であった。拙宅の大きな冷蔵庫にはビールが何本も並んでいたとか、家の中にはベトナム製の絵画や置物がおいてあるとか、いろいろ詳細に覚えてくれていた。これには感激である。お世話して本当によかった。うれしい対面であった。

 共産党員も会社の経営をしてもよくなったので、さらに自分も株式投資を始めようかといった話もした。一般に株式の知識を普及させることは、ベトナムでは緊急課題である。最近のベトナム株式市場は軟調なのであるが、それについて「企業業績がよいのに株価が下落する珍しい国」という指摘がある。ベトナム人株主が「狼狽売り」をするのである。少し株価が下がれば、すぐに売る。長期的な投資の観点が欠けているように思う。

 ビンズン省とドンナイ省は、ホーチミン市郊外の2大工業団地を抱えている。進出企業が増えるにつれて、労働力不足や賃金の上昇が懸念される。さらに地方都市に工業団地が建設されれば、その地元に帰省する労働者も増加し、それが労働力の減少を加速することも予想される。ディエップ氏は、ホーチミン市国家大学経済学部の大学院に夜間に通っていて、現在は修士論文を執筆しているそうである。そういえば、その研究テーマを聞き忘れた。政権党であるベトナム共産党員の質的な高さを実感したし、それと同時に懐かしい再会が新たな元気を与えてくれたように思う。以上、今日はここまでです。おやすみなさい。

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