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2006年8月 2日 (水)

ベトナムの原発建設:ニントゥアン省で少し心配なこと

 『日本経済新聞』(2006年7月24日)は、原油価格の高騰が長期化する中、原子力発電所の建設について、「経済成長で電力不足が深刻化するベトナムは既に稼働時期を視野に入れた計画を策定」したと報道した。

 「ベトナム政府は原発の建設候補地を中南部のニントゥアン省に決定。20年の稼働を目指し、約30億ドルを投じ百万キロワットの原子炉2基を建設する。07年までに国際競争入札を実施する考えだ」。

 Dsc02958 写真は、ニントゥアン省の省都であるニンチュウ市の海岸である。ここは、リゾート開発団地として計画されており、すでにベトナム人向けのリゾートが操業している。国営観光会社の最大手であるサイゴンツーリストも、新しいホテルを建設中である。

 この海岸から自動車で30分も移動すると、一面の塩田地帯となる。このブログでも紹介したファンランである。このニントゥアン省は、PPAs(参加型貧困支援)の調査対象となっており、その貧困は改善されつつあるが、全国的に所得水準が低いとみなされている。

 参照:Poverty Task Force, Ninh Thuan, Participantory Poverty Assessement, July-August 2003, The Central for Rural Progress and The World Bank in Vietnam.

 このような事情を背景にして、貧困対策のために原発を誘致するという意図がニントゥアン省にあったと思われる。しかし原発を誘致することで、果たしてどのような影響があるのだろうか。その建設によって一時的に雇用は増加するだろうが、周辺の自然環境に及ぼす影響が十分に事前評価されなければならない。リゾートや塩田に対して原発は問題ないのであろうか。

 たとえば日本の福井県では、原発と海水浴場が併存している。原発の安全対策は万全と言われている。しかし、私の小学生時代の臨海学校の開催場所であった「高浜」に原発が建設され、それ以降は場所を別に移転している。この移転は心理的な不安に基づく影響であると思われる。

 以上、原発建設・経済発展・自然環境について十分に事前評価できる企業の応札が、原子炉建設の入札では望まれる。当然であるが、原発はコストよりも安全性が最優先である。さらにベトナムにも地震があるので、それにも注意が必要である。

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