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2006年8月31日 (木)

ラオス縫製企業は意外と健闘するかも:低賃金が強み

 8月31日、最初にラオス縫製企業を訪問し、次にSTEA(科学技術環境庁)と同庁の青年同盟を訪問した。午後は、訪問予定の会社社長がタイに出張ということで、訪問がキャンセルとなった。同行してくれたトンバン先生と昼食を一緒して再会を約束した。

Dsc08550  なお、この青年同盟とは、日本で言えば、「自民党青年部」と「ボーイまたはガールスカウト」を合わせたようなものであろうか。自発的に清掃などボランティア活動を実施しており、われわれ日本人学生の清掃ボランティア活動の対応機関である。

 日本人の参加は女子学生7名。男子学生が不在。神戸市外国語大学・兵庫大学・流通科学大学の3回生・4回生が中心である。今回で4回目になる活動は初めて学生が主体になる。私は参加しない。これは画期的だろう。普通は、旅行会社や引率教員が主体となり、その決められた枠組みの中で学生が動いて、それなりにボランティア活動したような気分になる。学生だけのグループが自分で考えて海外ボランティアするとは寡聞である。私は事前の準備として、できる限りのことをしたと思っているが、ともかく教員としては心配である。しかしすでに2回目参加した学生が2名おり、さらに1年間かけて世界旅行した学生も加わる。これだけの戦力があれば、何かの障害があっても乗り越えてくれるだろうと私は判断している。参加学生の勇気と努力に敬意を表したい。また、その大きな成長が楽しみである。

 さて、訪問先の縫製企業 LAO GARMENT会社は民間株式企業であり、資本金90万Dsc08542 ドル。従業員1600人の2交代制。昨年の年間売り上げは600万ドル。100%が輸出。主な輸出先はEUが95%。国内市場からの調達はダンボールくらいで原材料100%が輸入。典型的なCMT(Cut, Make Trim)生産の企業である。

 ここで注目すべきは、その賃金である。月額平均291200キップ。30ドル弱である。これはベトナムの半分以下。カンボジアの約4分の3と考えてよい。カンボジアでは残業代をいれると月額70ドルになるし、さらに複数の労働組合の存在も経営者としては悩ましい問題となる。ラオスの圧倒的な低賃金は、労働集約的な企業にとって最大の魅力である。

 大阪市が本社のシャツメーカー山喜がビエンチャンで今年から生産を開始しているが、その経営者はタイ人と言われている。同様の日本進出企業は多い。いわゆる「タイの衛星工場」として、つまりタイ進出企業の出先としてラオスに進出する。ラオス人はタイ語を理解できるので、タイ工場で経験を積んだタイ人のマネジャーを送り込めば、日本人の駐在費用も節約できる。ラオスにおける将来の縫製企業の進路はともかくとして、その低い労働コストは考慮されてよい。

 問題点は、内陸国で港湾をもたないので、輸送コストが割高ということである。しかしビエンチャンから友好橋を渡ってバンコクまで1日である。20㍍のコンテナーで出荷。この高い輸送コストも、南部サバナケットに工場立地するとすれば、来年完成予定の「東西経済回廊」を利用してバンコクやダナンとより容易に結ばれる。

 品質管理についても「5S」の知識をもっているが、一般の労働者には徹底できていないようである。しかし筆者の印象では、工場内には通路のためのテープが貼られており、きれいに清掃もされていた。外国企業との取引を継続するのだから、そういった基本・標準は達成されているとみなされる。ISOの取得などは、これからの課題である。

 縫製について熟練するまでに3年かかると言われている。さらに熟練工の中でも、作業速度の遅速が国によって違うと言われている。日本企業の生産性向上の追究は、そういった秒単位までの徹底されている。おそらくラオス人に言わせれば、「なぜ、そこまでする必要があるの?」ということだろう。しかし、そういった極限まで追究する努力の中から、新しい「カイゼン」の提案が生まれるのかもしれない。いいかげんな気持ちでは、いいかげんな結果しか導かれないのは当然である。このように考えれば、これまでの日本の「もの作り」のプロフェショナルが日本経済を牽引してきたのである。

 ラオスは人口が少なく、内陸国で港湾がない。他方、日本は天然資源が乏しい。ラオスの方が鉱物資源・森林資源は豊富である。これらは所与の条件である。それを日本人は克服して経済成長してきた。同じ人間としてラオス人にできないはずがない。

 今から、いくつかの仕事が待っているホーチミン市に戻る。喧噪と排気ガス。静寂のラオスに来て、この大都会が妙に恋しくなる。ラオスバージョンから、ベトナムバージョンに切り替えて、インドシナ3カ国1ヶ月間のエンディングを満足をもって迎えたい。

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