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2006年7月30日 (日)

今日は「テキ屋」になりました:「輪投げ商法」の教訓

 「テキ屋」とは、簡単に言えば、お祭りなどの縁日で「いかがわしい物品」を販売する業者のことを言うらしい。以下の話は「いかがわしい」ことはないのだが、すっかり気分は「テキ屋」であった。

 昨日と本日は、私の地元・大阪府箕面市で「みのお祭り」が開催され、昨年に続いて箕面船場ライオンズクラブは「輪投げ」を出店した。私は、店頭で次の業務を輪番で担当した。①お金を200円もらって輪投げの輪3個を渡す。②投げた輪を回収する。③お客さんの主に子どもの年齢に合わせて投げる位置を決める。

 この中で①と②の集金や回収は簡単である。子どもたちの小さな手からお金を受け取って「頑張ってね」とやさしく声をかける。ピンク・青・黄の3種類の輪を子どもの希望も聞きながら渡す。ただし最も多忙なときには、輪の色を選択する余裕もなかった。輪の回収は、笑顔でテキパキとする。時間があれば、「輪投げだよ。残念賞もあるよ」と大きな声を出す。

 この業務の中で③が難しい。歩き始めたばかりの幼児には、「輪投げ」ではなくて「輪入れ」をさせてあげるのだが、それでも輪が入らないことがある。最初は、わざと輪を入れてあげて「はい。よかったね」と賞品をあげるのだが、それをやりすぎると、賞品を渡す担当者から文句が出た。賞品不足になるという心配である。なお賞品は、花火セット、蛍光ネックレスなど夜店にはふさわしい品々である。

 この話、ちょうど企業において、販売担当者が商品を値引きして売り上げを伸ばそうとすることと、財務担当者や在庫管理者がその値引きを歓迎しないという対立関係に似ている。子どもに直面していると、どうしても優しくなってしまうのだが、店全体の管理を考えれば、優しくばかりもしていられない。

 そこでノウハウを学んだ。最初は、少し遠めに投げる位置を決めておいて、そこから投げてもらう。その子どもの特性を見て、位置を前に移動させるかさせないかを決める。第1投で輪が入れば、その位置を移動させない。投げる位置を徐々に前に移動させた子どもは、本人も親も得をした気分になる。もちろん最初に輪が入った子どもは、やや大げさに「よかったね」と拍手してあげると大満足である。

 予算や在庫の制約がある場合の営業では、その営業担当者の創意と工夫に売り上げが依存する。創意と工夫によって顧客満足を追求する。こういった経験が営業担当者の間で相互に共有できれば、おそらく全体に売り上げが伸びる。そのうえに問題が発生した場合、予算や在庫や新商品投入も含めて全社的に対応を考える。

 「輪投げ」店は以上のようなプロセスの縮図であった。なお興味深かったのは、小学生4年生くらいの子どもの事例である。どうしても「花火がほしい」と言って4回も輪投げに挑戦し、最後は150円しか残ってないけど「おっチャンまけて」と言って来た。「そんなに花火が欲しかったら、最初から花火を買ったらエエねん」と私は応じたが、結局、無情にも輪は入らなかった。

 この彼は、勝負の厳しさを学んだかもしれない。他方、将来のギャンブル狂の予備軍になるのかもしれない。人間だれでも勝負またはギャンブルに熱中するし、それに没頭することもある。射幸心というのは、人間の本性のひとつであろう。しかし時間の経過と共に、それが浪費であることに気づく。子どもの時から、そういった経験をしておくことも、射幸心を自己制御する力を養成することになると思う。

 地元の「お祭り」の縮小傾向があるように思うのだが、この「みのお祭り」全体の集客は2日間で5万人であった。「輪投げ」の来店数は1日当たり500人を超えた。久しぶりに小さな子どもたちとふれあう機会をもったが、なかなか楽しかった。「孫がかわいい」という人の気持ちが少し理解できた。以上、いろいろ学んだ数時間の「テキ屋」商売であった。

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