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2006年7月18日 (火)

ベトナムで会社を設立する;「統一企業法」の新しい条文

 これまでベトナムで外国人が会社を設立する場合、「外国投資法」に基づいてベトナム企業と合弁企業を設立したり、外国資本100%で外国企業を設立するという形態しかなかった。

 より具体的に前者は、すでに日本で生産活動をしていて、そのパートナーとなる同業のベトナム国有企業を紹介してもらって、日本側は資金、ベトナム側は土地使用権を提供して合弁会社を設立する。「第1次投資ブーム」と言われた1994年前後は、このような形態がほとんどであった。トヨタ・ホンダ・ソニー・松下などがそうである。

 その後、外国投資を促進するために、外国企業の出資100%が容認された。そうなれば、たとえば既存の工業団地に進出を決めて、その会社設立・工場建設の出資金100%を日本企業が負担することが可能となった。キャノンなどがそうである。

 通常、合弁会社にすれば、利益配分などの問題でベトナム側と日本側が株主総会または取締役会で紛糾する場合もあるので、外国資本100%が進出形態では望ましいと言われてきた。

 ただし国内市場を志向する企業の場合、市場販路の開拓などを考慮すれば、国有企業をパートナーとすることが有利なこともある。国有企業の既存の販路(メーカー⇒総代理店(卸売り店)⇒代理店⇒小売店)を合弁企業の製品販路に即座に活用できるからである。たとえばコトブキやエースコックなどがそうである。その後にエースコックは、合弁企業から100%外資企業に転換した。

 2006年7月1日から「統一企業法」が施行された。それによって、現在は実態のないまったく新しい会社をベトナムで設立できるようになった。たとえば外国人としての私が、出資者=株主として貿易会社をベトナムで設立し、その経営をベトナム人に任せるといった形態の会社設立が可能である。

 私は単なる出資者であり、貿易の仕事をするつもりはない。優秀なベトナム人に経営を任せて、私は役員報酬や配当金を受け取るのを楽しみにする。私自身または私の妻が日本の駐在員になり、その駐在員としての報酬を受け取っても良い。他方、ベトナム人は資金を提供してもらって、自分が経営者として活躍できる。このベトナム人経営者にストックオプションを与えて、株主になってもらって、将来に上場するモーティべーションを高める。このような会社設立は、「ベンチャーファンド」に似た投資である。

 こんなことが「統一企業法」で可能になったと判断できる。その条文は、「第2章 企業の新規設立と営業登記」、「第13条-----ベトナムの個人・組織や国籍を問わずあらゆる外国の個人・組織は、本法の規定に従い企業の設立及び管理を行う権利をもつ。」

 この新しい会社は、「営業登録申請書」(第21条)を提出しなければならない。そこで私は発起株主(株式会社の場合)であるから、パスポートなど身分証明を提出する。

 「統一企業法」さらに「共通投資法」によって、これまでのベトナム人と外国人の区別がなくなった。まさにWTO加盟を控えた法改正である。

 他方、日本でも、ここでは議論を省略するが、2006年5月1日から「新会社法」が施行された。LLCやLLPが新しく導入され、有限会社はなくなった。ベトナムと日本の両国にとって、2006年は「企業法」が大改正された記念碑的な年である。

 ベトナムと日本の双方の新しい法律の検討によって、新たなビジネスチャンスが生まれるように思う。私見だが、このベトナムの新法は、これまでのベトナムを変える。ベトナムに対する先入観と固定観念から逃れることが今こそ必要である。これについて再度、次の機会に議論しよう。

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