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2006年6月 5日 (月)

ベトナム情報(13):WTO加盟に向けて米国と合意

 ベトナムのWTO(世界貿易機関)加盟について米国は基本的に認めることでベトナムと合意した(2006年5月15日新聞各紙)。二国間協定の合意は米国が最後であったから、これでベトナムのWTO加盟は、多角間協議を残すのみとなり、年内の加盟は確実になったと思われる。

 WTO加盟は、もう間もなく発足するベトナム新内閣の門出を祝福し、本年11月にハノイで開催されるAPEC首脳会議に花を添えることになるであろう。以下は、特に銀行業と証券についての合意内容の引用・紹介である。なお出所は、在ベトナム米国商業会議所の会員向けの英文資料(2006年5月31日付)である。 

 本日午後にHCM市において、ベトナムがWTO(世界貿易機関)に加盟申請の一部として要求されている双務的市場参入協定にベトナムと米国は公式に調印した。ベトナムのWTO加盟時に双務協定は完全に実施される。

 その加盟申請を満たすために、ベトナムの貿易制度をWTO規則に合致させる改革を詳説した加盟作業部会報告書加盟議定書について、ベトナムは多角間交渉を締結しなければならない。多角間協議の次のラウンドは7月に開催される。その間にベトナムは、WTO条項が加盟後に適用可能な立法の制定・施行を継続することになる。ベトナムのWTO関与に伴う便益を米国企業が受けるためには、ベトナムに対するジャクソン=バニク(Jackson-Vanik)修正条項の適応を解除し、ベトナム製品に対する恒久通常貿易関係(PNTR)関税取り扱いの賦与を認可するという議会の行動が必要である。

 さて実際、この協定には何があるのか? 以下(注:「サービス分野に関する双務的市場参入協定のデータ表」)は、ちょうど米国通商代表部によって公開された情報である。

 ベトナムがWTOメンバーになれば、米国のサービス提供業者は、市場参入の促進ベトナムの内国民待遇によって利益を受けるであろう。それは幅広い分野に及び、保険・銀行業・証券・情報通信・エネルギーサービス・速配サービス・機械建築サービス・専門的サービスが含まれる。さらにベトナムは、そのスケジュールの中で指定されたよりも寛大な参入の提供を考慮することに合意した。(注:以下では、とりあえず銀行業と証券についてのみ紹介する。)

 ベトナムは現在、少数株式所有持分49%に外国銀行を制限しているが、銀行支店を許可している。ベトナムは、外国証券会社が駐在員事務所を開設することだけを認めている。われわれのベトナムとのWTO双務的市場参入協定は、以下の改良を含んでいる。

 1. 200741日現在、米国と他の外国銀行は、100%外国資本の子会社を設立することができるであろう。ベトナムの法的主体として、これらの子会社は市場参入における非差別的な(「国内の」)取り扱いを受けるであろう。米国銀行は、100%外国投資の銀行子会社を設立し、法的主体から無制限の現地通貨預金を預かり、クレジットカードを発行することができるであろう。

 2.ベトナム加盟の日付現在、外国証券会社は、最高49%までの外国人所有によって合弁会社を開業できるであろう。5年後に外国人は、証券会社を100%所有できるであろうし、いくつかの証券活動(資産管理・顧問・決済・清算のサービス)のためにベトナムで事業拡張できるであろう。

 3.ベトナムで設立された外国投資会社は、他の金融サービスの副次的な分野すべてに渡って内国民待遇を受けるであろう。

 4.国境を越える市場参入の公約は、OECD諸国のそれらに匹敵するか、または優っているであろう。

 以上は、ベトナムと米国の双務的な協定である。日本とベトナムは最恵国待遇の協定に調印しているから、ベトナムにおいて米国企業が可能な活動は、日本企業でも同様に活動できる。

 ちょうど本日の朝刊各紙には、三井住友銀行がホーチミン支店を開設したという新聞広告が掲載されている。さらに日本の証券会社のベトナム進出も近い将来に実現するであろう。ベトナム直接投資について、これまでのトヨタ・ホンダ・ソニー・松下・富士通といった製造業の時代から、銀行・証券業が本格参入する時代に推移しつつあるとみなされる。このことは、さらなる製造業の進出を促進することになる。

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