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2006年5月17日 (水)

ベトナム情報(4-1):貿易の現状

 WTO加盟を目前にして、ベトナムの貿易は好調である。第4表によれば、特に米国は、ベトナムにとって最大の輸出相手国となっている。これに対して最大の輸入相手国中国である。かつての戦争相手国であった米国と中国が、それぞれ輸出と輸入で最大となっている。国家の独立を目指したベトナムが、今日では経済成長に邁進していることが理解できる。

 第4表と第5表を参照:「blog45.doc」をダウンロード

 さらに第4表では、シンガポールが輸出と輸入の双方の相手国となっている。これはベトナムから原油を輸出して、石油精製品・ガソリンをシンガポールから輸入していることを示している。せっかくの原油資源がありながら、それが貿易黒字に十分に貢献しない。このためにベトナム政府は中部ダナンに石油精製プラントをロシアの支援で建設中である。この完成によって貿易収支の大きな改善が期待される。

 輸出金額と輸入金額を合計した貿易総額で見れば、その順位は、1.米国(59.20億ドル)、2.日本(56.93億ドル)、3.中国(48.19億ドル)、4.シンガポール(35.81億ドル)、5.ドイツ(19.14億ドル)となっている。ここでも米国との貿易は最大である。さらに中国の貿易額に香港を加えれば、その金額は日本を超える。

 ここで改めて米国と中国の存在感がベトナムで急増していることが指摘できる。貿易相手国の経年変化を見れば、それが明示できるが、それは別の機会とする。

 第5表は、ベトナムからの輸入品の日本におけるシェアが第1位・第2位の品目を示している。「冷凍エビ(シュリンプ及びプローン)」は、最大のシェア(22.8%)であるが、第2位のインドネシア(21.3%)と伯仲している。これに対して「いか」は63.0%であり、第2位の中国(31.7%)の2倍のシェアである。さらに「はまぐり」のシェアも高く、こういった水産物の対日輸出は大きなシェアをもっている。

 健康志向食品が世界的に注目される今日、牛肉よりも魚介類が選好される傾向があると言われている。このような意味で、ベトナム水産物の輸出は今後も好調と予想される。なお、ベトナム戦争時の米軍が散布した枯葉剤の影響が心配だという意見が未だにあるが、写真家・中村梧郎氏によれば、水産物に含まれるダイオキシンはベトナムで検出されていない。それだからこそ日本企業が輸入しているのである。それよりもダイオキシンは日本で高い数値を示すそうである。ベトナムでは戦争後30年間でダイオキシンが拡散・消滅したのに対して、その間の経済活動によって日本ではダイオキシンが増え続けてきたのである。

 また「ミシン針」や「鉛筆の芯」は、ホーチミン市のタントアン輸出加工区のベトナムオルガン針(株)などのように、ベトナム進出の日系企業の対日輸出製品とみなされる。グルタミン酸ソーダ・光ファイバーケーブル・陶磁製電気絶縁用物品(碍子)も同様であると推察される。「女子用の衣類(絹製のもの)」には、日本の和服が含まれていると思われる。手作業の刺繍をほどこした絹製品は、ベトナムで優位性のある製品である。大規模な設備投資に基づく大量生産の中国に対して、高付加価値の手作業品の生産はベトナムの競争力の源泉である。

 ベトナムの貿易品目やその時系列データについては、ここでは省略する。

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