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2006年5月12日 (金)

ベトナム情報(2):経済成長率

 2005年12月にマレーシアのクアラルンプールで第1回「東アジアサミット」が開催された。ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国10カ国プラス日本・韓国・中国さらにオーストラリア・ニュージーランド・インドを加えた16カ国の首脳が、「東アジア共同体」形成に向けて合意した。添付ファイル第1表は、これらの国々とBRICsの経済成長率(実質)を示している。

 第1表と第2表:「blog12.doc」をダウンロード

 戦後の経済成長国として、これまで日本を始め韓国・台湾が注目されてきたが、今後の経済成長国としてBRICsが注目されている。確かにC(中国)の経済成長は7.5~9.0%となっており、第1表の中では最も堅調な高成長率を示している。しかしR(ロシア)やI(インド)の成長率にはバラツキがあり、B(ブラジル)は2003年にマイナス成長となっている。

 以上のようにBRICsの経済成長は、中国を除けば、やや「かけ声倒れ」という印象もなくはない。これに対してベトナムは、6%後半から7%の成長を示し、明らかに中国に次ぐ経済成長国と言って間違いない。

 戦後の日本・韓国・台湾の高度経済成長の要因について、1980年代後半に米国の社会学者が注目・研究したことがある。そこでは、これらの国々の共通点として儒教社会であることや、企業集団または財閥の存在が指摘された。社会主義思想の影響で中国は儒教の影響が希薄になっているようにも聞いているが、筆者の印象では、まさにベトナムは儒教社会である。儒教が経済成長に与える影響が大きいとするなら、ベトナムは日本・韓国・台湾に次ぐ経済成長を達成するという予想ができる。

 添付ファイル第2表は、ベトナムの経済(GDP)成長率を所有形態別・産業別に示している。2004年について見れば、鉱工業・建設が経済成長の推進役を果たしている。特に電力・水道などインフラ整備が12.0%の成長となっている。2005年には水不足のために水力発電が制限され、ハノイで一定時間の停電があった。安定的な電力供給は経済成長の基盤である。この意味では、電力・水道の重点的な成長は政府の妥当な政策である。

 これに対して、農業(2.9%)と林業(0.8%)が低成長である。ベトナムはコメとコーヒーの世界第2位の輸出国であるが、これらは世界市場の価格変動の影響を受ける。輸出が増加したとしても、世界市況が低調であれば、経済成長の上昇には貢献しない。これが、低成長の理由であると思われる。また、WTO加盟を果たせば、農産物の輸出入の自由化が迫られる。私見では、WTO加盟はコメなどの農産物の輸出増加に貢献すると予想される。そうであれば、農業の成長率は向上する。

 ベトナムの地域的な所得格差は、都市部と農村・山岳部で発生している。この是正のために、農業の成長促進は優先的な課題と位置づけられるべきである。これは、政治的安定にとって不可欠である。

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