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2006年5月20日 (土)

(株)トーホー:ハイブリッド型食品総合企業

 私の担当講義「21世紀の業界展望」において、(株)トーホー・人事開発室長・吉田憲司氏のご講義を賜った。(株)トーホーは、来年2007年に創業60周年を迎え、本年の売り上げは1559億円を見込んでいる。経営理念は「食を通じて社会に貢献する」。創業以来の増収を継続する東証・大証・福証の1部上場企業である。

 一般の消費者にとって「トーホー」と聞けば、食品スーパーを連想する。西日本に46店舗を展開し、その「地域の冷蔵庫」というイメージの店舗作りをしている。しかし売上高に占める割合は18.4%にすぎない。トーホーの売り上げの59.5%は食材卸売り、22.1%はAプライスである。このAプライスは、日本で最初の業務用食品現金卸売り店舗である。一般消費者も利用できるが、その主要な顧客は食堂・レストランである。同社の卸売り配送システムがカバーできない顧客に対して、Cash&Carryで食材を提供している。取扱商品は500品目から始まり、現在は5000品目に増加。このように同社は、外食産業を支える業務用食品の総合商社である。

 このほかに同社のグループでは、ホテルやレストランなどを対象とした卸売りコーヒーの製造・販売をしている。このトーホーコーヒーの歴史は古く、1950年のコーヒー豆輸入再開の翌年に生産を始めている。UCCやネスレなど消費者向けの独自ブランドをもっていないが、専門店には定評あるブランドである。なお、(株)トーホーの会社概要については、http://www.to-ho.co.jp/を参照。

Dsc07478  講義終了後の記念撮影です。写真をクリックすれば、大きく鮮明に見ることができます。土曜日(20日)は、流通科学大学で資格取得講座が開講されており、通常より受講生は少数でした。また、中国の中小規模食品スーパーを研究中の大学院修士課程の王くんも講義を聴講しました。

 トーホーは、小売りと卸売りの双方を業態にもっており、さらに顧客には一般消費者のみならず高級ホテルや一流レストランをもっている。私見では、このような現状を考慮すれば、同社は、内食・中食・外食のすべてに対応できるハイブリッド型食品総合企業である。様々に変化する気まぐれな消費者の嗜好に対して、そのすべてに同社は対応できる業態をもっているとみなされる。たとえば外食が人気なら、卸売り事業が活況になるし、景気低迷や健康志向で内食が重視されるようになれば、食品スーパー事業が対応する。中食は、卸売りの顧客である高級ホテルや一流レストランとの提携や新商品の共同開発が考えられる。このような柔軟な対応が可能な企業であることが、同社の差別化された競争優位性であると考えられる。

 ここで私が、単なる「総合」ではなく「ハイブリッド型」と命名したのは、すべての業態や事業が単に集まるだけでなく、そこから新しい業態や事業が創造されるという意味を表現したかったからである。また総合されて融合するのではなく、それぞれが自立・自律しながら協力するという企業組織を(株)トーホーにイメージしたからである。

 トーホーは「企業は人である」という経営憲章をもっており、さらに「企業は社会の一員である」という観点から、企業の社会貢献および社会的責任の活動に熱心である。このような意味で、人材開発室長として採用活動や社内教育を担当されている吉田さんの仕事は重要である。吉田さんは、大学卒業後にリクルートに長く勤務され、トーホーには昨年末に中途入社されたばかりである。吉田さんはトーホーの特徴として、生え抜き社員と中途入社社員のバランスが取れていることも指摘された。人材の適材適所の配置、人材の最大限の開発・活用を最優先にすれば、生え抜きと中途入社の区別は無意味なのかもしれない。

 吉田さんには、会社の説明をしていただいた後に、企業が求める人材についてお話をいただいた。本講義との関係で言えば、「21世紀の業界」を支えるために必要な「21世紀の人材」の展望を提示していただいた。これについては別途に紹介したいと思う。せっかくの土曜日の休日にもかかわらず、わざわざご講義を頂戴した吉田憲司氏に改めて御礼を申し上げたい。

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