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2006年5月13日 (土)

ベトナム株式投資:「ベトナム・ドラゴン・ファンド」第2次募集説明会の開催

 5月13日(土)午前10時から12時まで、大阪ヒルトンホテルで「ベトナム・ドラゴン・ファンド(VDF)」第2次公募の説明会があった。主幹事であるキャピタル・パートナーズ証券株式会社が主催し、同社の筒井豊春社長と、運用会社であるドラゴン・キャピタル・マネジメント・リミティッド社の運用者であるジョン・シュリンプトン氏が講演した。

 筒井社長の話で印象に残ったのは、元金保証の金融商品は安全Dsc07472ではないと言うことである。つまりインフレになった場合、元金保証の安全商品と思っていても、それでは購買力が維持できないリスクが発生する。インフレの時代ではハイリスク=ハイリターンの商品を資産配分の中に加えて、リスクを取ることが安全ということである。

 :上図は説明会の様子です。クリックすると大きく見えるようになります。ただし照度が低く鮮明な写真ではありません。

 シュリンプトン氏は、2006年5月がベトナムの歴史上で画期的な時期であると最初に指摘した。(1)来週に国会が召集され、新しい大統領や内閣が選出される。これは、これまでに比べて経済社会改革を最も推進する政権の誕生を意味する。(2)現在ベトナム貿易相が、WTO加盟の最後に残った交渉相手国である米国を訪問している。おそらくベトナムのWTO加盟は間違いないと考えられる。(3)新しい国会の最初の仕事は、証券取引法の制定であり、それによって資本市場の整備が大きく前進する。

 その後の質疑応答では、会場から次の質問3点が提起され、シュリンプトン氏が回答した。

 (1)中国ではWTO加盟後に上海株式市場の株価は下落した。ベトナムに対するWTO加盟の影響は? 解答:WTO加盟に対する期待は大きかったが、その後の中国が期待はずれになったのが株価下落の原因である。加入後に法律を制定・実施する約束だけで中国は加盟を承認されたが、実際に加盟した後は、そういった法律の制定・施行が遅延した。これに対してベトナムの場合、このような中国の先例があるのでWTOは加盟条件を厳格にして、加盟前に法律を整備することを条件とした。たとえば統一企業法や統一投資法、知的所有権法などがすでに制定されている。WTO加盟によって今まで通りに市場開放が進展すると予想される。

 (2)ベトナムの政治体制は安定しているか?カントリーリスクはないか? 解答:ベトナムの市場経済化は20年間の歴史をもっている。これまでの内閣は着実に改革は進めており、さらに改革推進を進めると期待される新内閣に政権は円滑に移行するであろう。また民族や宗教の対立がないので国内紛争の要因はない。世界で不足すると予想されるエネルギーや食料品のベトナムは輸出国である。これに対して中国は輸入国となっている。共産党の改革も進み、汚職防止を強化し、共産党員の企業経営者を容認した。このようにベトナムは成熟した政治体制をもっているとみなされる。以上、カントリーリスクは小さい。

 (3)ベトナムは他の国々とどこが違うのか? 解答:ベトナムは東南アジアと言うよりも、北東アジアの最南端の国と考えるべきである。つまりベトナムは日本・台湾・韓国につながる儒教国とみなされる。歴史的に中国の影響が強く、ほかの東南アジアの国々とは国民性が相違している。それは労働力の質が優れていることにも関係している。

 第2次公募の『目論見書』によれば、第1次公募資金の投資先の内訳が公表されている。私は、30数億円の資金を上場株式・上場予定株式に投資できないと予想して、そのように指摘したが、全額の投資が完了している。上場株式に20.7億円、国内非上場株式に6.3億円、国内上場債券(国債)に10.5億円となっている。合計37.5億円である。

 私見では、VDFは優良株を買うというよりも、買いやすい株を買っているように思われる。ビナミルクには7.0億円を投資し、VDF純資産の19.11%を占めている。ビナミルクの株価が上昇しないはずはないが、そこでは上場前の未公開株式を購入した株主が最大の利益を獲得しているはずである。

 このようなVDFの特徴は、次の基本投資戦略に表明されている。(1)ベトナム上場企業については、利回りが高いが、低い株価に過小評価されている銘柄。投資家の需要・人気が高い銘柄。(2)上場予定企業については、低い株価に過小評価されている銘柄。潜在的な市場力があり、高い利回りが期待される銘柄。つまり優良企業に投資という表現ではなく、「低い株価に過小評価」が投資選定のキーワードである。

 この投資戦略は正解である。ベトナムの「優良企業」と言っても、必ずしも情報開示や監査制度が信頼できない場合が多いから、本当に優良なのか確認できない。「低い株価」の株式に投資を集中させて、そのこと自体で株価を上昇させる。それに第2次公募資金を追加投資すれば、さらに株価は上昇する。そうしておいて「長期持続」しておけば、株式市場に新規資金が流入する毎に、それに対応して株価が上昇する。

 ベトナム株式市場の成長は、資金量から見てVDFが先導するとみなされる。一般株主にとって、こういった機関投資家の売買動向は、日本市場でも同様であるが、目を離すことができない。

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