« ベトナム株式投資のリスク(2) | トップページ | ベトナム株式投資の教訓(2) »

2006年4月 3日 (月)

映画「THE 有頂天ホテル」を見た

 かなり封切りから遅くなったが、三谷幸喜監督・脚本「THE 有頂天ホテル」を家族で見に行った。そのテンポの早い展開は目を離せない。これまでに三谷作品ではレンタルDVDで「笑の大学」を見たが、やはりそのテンポの早い笑いが特徴であった。この両作品に役所広司が主演。彼がもっている真面目な笑いの雰囲気は三谷作品にうまく調和している。観客を笑わせるためには、笑わせる側の芸人が笑ってはダメだと言われているが、この意味で、まさに役所広司は適役である。ディズニーランドやUSJといったテーマパークに行く感覚で「三谷ワールド」に遊びに行った。こういう満足感がある。

 国会議員役の佐藤浩市は、偽メール事件の民主党・永田前衆議院議員を想起させた。人相の悪い悪役イメージの佐藤浩市が本当の選挙で当選するのかは不明だが、永田前議員は佐藤浩市の代役を十分以上に果たすことができる雰囲気をもってることは確かだと思う。ラストシーンで佐藤代議士が車寄せで自動車の誘導をしている。この落差が笑いを誘う。この代議士も本当は善人なのである。

 映画の中で松たか子は重要な役割を果たし、さすがに舞台で鍛えられているだけに彼女の自然な演技はうまい。しかし元愛人という雰囲気ではないと思われた。ただし、それらしくない松たか子を愛人にするほどに、国会議員としての佐藤浩市の押しが強いことを表現しているのかもしれない。純情な女性ほど押しに弱い?愛人になると度胸もすわる。松たか子にふさわしい役だ。

 篠原涼子と麻生久美子も、それぞれが適役で好感をもてた。どちらも私の好きな女優だ。麻生については、確か10代の時の映画デビュー作を見た。新鮮だった。篠原はTVドラマ「なにわ金融道」で知っている。その当時に比べて今は円熟した女優の魅力だ。他方、落ちついた奥様になった原田美枝子もよかった。原田は私と同世代。原田にも篠原や麻生と同じ若い時代があった。現在は、落ち着いた少し枯れた立ち居振る舞い。年代相応の雰囲気を私も心がけよう。

 西田敏行もいい。西田の演じる演歌歌手の精神構造は理解できる。舞台=講演は真剣勝負。その前に周到な準備をすれば、逆に本番で緊張感が減退する。もちろん原稿を読んで進行する講義・講演なら、何度も原稿に手を入れたほうがいいに決まっている。そうでない真剣勝負の緊張感。この昂揚と快感がたまらない。これは、何度か経験した人ならわかってもらえるだろう。日常はダラー--としているが、講義が始まるとシャキッとする。西田の演歌歌手の舞台と同じだ。さらに西田の肉体にも共感した。ただ単に体型が似ているだけだがーーー。

 今回の「三谷ワールド」はホテルが舞台であった。次はどこに舞台が移されるのか。私の身近な実例で言えば、大学とベトナム。私には脚本を書く能力やノウハウはないが、この両者を舞台にした人間模様の面白さは絶対に保証する。大学という権威の世界を笑いに変える。ベトナム駐在日本人の表(=ビジネス)と裏(=日常生活)のギャップも普通の人なら絶対に笑える。それにベトナム人の日本的な人情が絡んでくると必ず暖かい人間ドラマになる。

 大学を舞台にした映画は多数あると思うが、それを「三谷ワールド」で見てみたい。ベトナムを舞台にした作品としてコミック『大使閣下の料理人』がある。私は後者の映画化をやってみたいという夢をブログで書いたことがある。これを「某国」という設定でもよいので、ぜひ「三谷ワールド」で笑いにしてもらいたい。私も時間があれば、「ベトナム裏話」を記録に残しておきたい。それが映画化されれば最高だ。

 人間心理の本質を精緻に描くからこそ、それに人間は共感して、笑い、泣く、そして怒る。そのような共感を獲得する舞台や描写には人間に対する愛情があふれている。人間「性善説」だ。基本的に人間は善人。いろいろあって悪人にもなる。人々に広く支持される「三谷ワールド」の魅力の源泉はこれであると思う。 

|

« ベトナム株式投資のリスク(2) | トップページ | ベトナム株式投資の教訓(2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/1259321

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「THE 有頂天ホテル」を見た:

« ベトナム株式投資のリスク(2) | トップページ | ベトナム株式投資の教訓(2) »