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2006年4月20日 (木)

ヘルシーカンパニーとは?:(株)ワールドの先駆的役割

 4月19日(水)、私が担当する「実学」講義科目である「21世紀の業界展望」において、アパレル最大手企業(株)ワールドを母体とするワールド健康保険組合・常務理事の安倍孝治さんにご講義を賜った。  

 写真は、講義終了後の記念写真である。学生は主に2回生。本講Big21義は、さまざまな業界における企業経営幹部の方々をお招きして、今後の企業経営のあり方を探るという趣旨である。それによって学生の職業観を涵養するという目的もある。少子高齢化・人口減少・経済のグローバル化・財政赤字(=増税)・地球温暖化・CSR(企業の社会的責任)重視といった経済社会環境の大きな変化に対して、どのように各企業は対応しているのであろうか。当面の企業間競争と同時に、これらの潮流に的確に対処する企業が21世紀に存続できると私は考えている。本講義では、これらの各企業の最新情報が提供される。

 安倍さんが常務理事に就任された8年前、(株)ワールドの健康保険料率は1000分の86であった。これを従業員個人と会社が折半する。それが今日では、1000分の47になっている。これは会社にとって累積10億円の経費削減効果があったことを意味する。もちろん従業員の保険料「天引き」額も減少されるのだから、会社だけでなく従業員もハッピーである。そして何よりも健康な従業員が働くからこそ、その会社にも活力が出てくる。顧客サービスの向上にもつながる。

 従業員自身の健康増進のみならず、さらに「元気な家族は元気な会社を作る」というスローガンの下に家族の健康にも配慮されている。このようにして医療費が減少し、それに伴って保険料も減少する。いわゆる「予防医学」に個人だけでなく企業全体が積極的に取り組むことによって、医療費の負担を軽くすることができる。このような会社が「ヘルシーカンパニー」である。

 こうしたワールド健康保険組合のような試みが、多数の企業、さらに地方自治体、さらに国全体に拡大されれば、日本における医療費の負担は軽減され、財政赤字の解消にも貢献する。ただしそうなれば、医療機関の経営悪化が懸念される。健康だから病院に行く必要がない状況が生まれるからである。しかし私見では、これまでの治療医学から予防医学に経営の重心を移動させればよい。同時に、われわれ一般の国民は、治療のためではなく予防のために病院や医院に行くようにする。もちろん、それを誘導するために医療制度・保険制度の改革が必要であろう。

 安倍さんのご講義で、21世紀の新しい企業像を具体的に想起することができた。また安倍さんは「古武道」の達人であって、学生を相手に「」の実演をしていただいた。私は電気のような「気」を感じることができたが、その感じ方は受け手側で様々に変化するそうである。

 盛りだくさんの知見を提供していただいた安倍さんに改めて感謝を申し上げたい。なお『公衆衛生情報』(2006年3月号、pp.11-13)は、(株)ワールドの「ヘルシーカンパニー」を特集している。

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