« ベトナムと「餃子の王将」の深い関係!! | トップページ | ベトナム株式市場の現状と発展方向 »

2006年4月16日 (日)

『的だけを見据えて射よ』!!

 『的だけを見据えて射よ』!!これは、UCLA・映画学科(脚本プログラム統括)教授・リチャード=ワォルター氏が生徒に教える要点のひとつである(雑誌『VISA』2006年5月号、コミニケ出版・VISA編集室、p.20)。彼は映画の脚本執筆について大学で講義しているのだが、そこで上記のことを強調する。

 ワォルター教授は「1944年、ニューヨーク生まれ。南カリフォルニア大学卒業後、フリーランスで脚本や小説などを執筆。'77年、UCLA・映画学科の教授に就任。以後、優秀な人材を多数、映画界に送り出してきた」という略歴である。

 「脚本は絶対にトレンドを追ってはいけません。映画界の流行だからといって小手先だけで脚本を書いても、それは二番煎じにすぎないのです。私は生徒に「的だけを見据えて射よ」と教えます。例えば、友人でもあるジョージ・ルーカスの『スター・ワォーズ』の脚本は、当初あまりにも荒唐無稽で誰も相手にしませんでした。しかし彼はパッションをもって、その世界を完成させていったのです。」

 これは映画の脚本についての「命題」のようなものだが、ビジネスにも応用可能である。ビジネスで成功するために「トレンドを読め」とよく指摘される。これは、鳥の眼=マクロの視点、蟻の眼=ミクロの視点に加えて、魚の眼=潮流(トレンド)の視点を持つことがビジネスで重要だと言うのと同じである。(参考:竹内宏『竹内宏の「蟻の目、鳥の眼」経済学』1991年、PHP研究所。)

 しかし「トレンドを追ってはいけない」のである。トレンドを追うことは「二番煎じ」の追随者の考え方である。もちろん追随者が成功する場合も多いし、その市場の規模拡大のために追随者が重要な役割を果たす。しかし追随者が成功する条件は、そのトレンドが長く継続することである。顧客の嗜好・価値観が多様化し、それが短期的である場合、追随者の成功も一時的である。また、追随者の地位に安住していれば、その企業の経営能力の向上に役立たない。新しい商品・サービスの独自の企画力・開発力が養成・保持されていないと、その企業の長期的・持続的な成長は期待できない。

 では、どうすればよいか。トレンドに迷わされずに、そのトレンドの水源を見つける。その水源を「的」として射る。うまく的中すれば、新しいトレンドを自分で創造することができる。トレンドに流されることなく、そのトレンドが発生する水源を確認し、その水源を自らの方向に導くことを考える。こうして新しいトレンドが開拓される。

 以上のポイントは、トレンドの水源を発見することである。トレンドの方向性を予測するだけでは不十分である。トレンドの水源を確認する。それができれば、周囲を気にせずに、水源に向かって前進あるのみ。そうすれば、自分でトレンドを作り出せる。これが創造的な仕事の基本的な考え方と言えるかもしれない。

 二番煎じでない創造的な仕事の成功の秘訣は、以上のように映画でもビジネスでも、さらに研究でも共通して応用可能であると思う。

 

|

« ベトナムと「餃子の王将」の深い関係!! | トップページ | ベトナム株式市場の現状と発展方向 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『的だけを見据えて射よ』!!:

« ベトナムと「餃子の王将」の深い関係!! | トップページ | ベトナム株式市場の現状と発展方向 »