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2006年3月25日 (土)

ベトナムセミナー:大阪と神戸

 24日に大阪と神戸でベトナムに関するセミナーがあった。私1人で2カ所に出席するわけにもいかず、私は神戸のセミナーに出席した。大阪にはベトナムとの取引を支援させていただいている中堅企業社長に出席をお願いした。セミナーは次の2つである。

 大阪:ベトナム経済講演会 山田康博氏(ジェトロ総務部長)「ベトナムへの今後の投資を考える:ピークに向かう対ベトナム投資」。主催:関西日越協会。

 神戸:第29回神戸FAZセミナー「インドシナ開発の進展と国際物流の変化」 ①井田浩司氏(ジェトロ海外調査部アジア大洋州課)「インドシナ半島の陸路物流」、②福田規保氏(山九(株)ロジスティック・ソルーション営業部)「インドシナ諸国陸路物流の実務と課題」。主催:ジェトロ神戸FAZ支援センター。

 大阪で講師をされた山田さんは、前ジェトロ(日本貿易振興機構)・ハノイ・センター所長であり、神戸で司会をされた肥後靖己氏(FAZ支援センターアドバイザー)は、同じくハノイ・センターの前々所長である。ハノイと日本で私は両氏にお世話になった。究極の選択の結果、今回は前々所長・肥後さんのセミナー出席を優先した。

 その理由は、現在の私の研究テーマが、「ベトナム・ラオス・カンボジアの企業経営におけるAFTA・WTO加盟の影響と対応」であり、インドシナ半島に関係するからである。また、(株)山九の福田氏が紹介したラオバオ(ベトナム・ラオス国境)に私も昨年に訪問したからである。これについては、本ブログの1月15日に「ラオバオの現況」を参照。

 ジェトロ井田氏の結論によれば、次の4つのルートを現在の海上から陸路に変更させた場合、いずれも輸送コストは上昇するが、輸送時間は短縮する。陸路にシフトする効果の総合評価は、①バンコク~ハノイ⇒○、②ハノイ~広州⇒◎、③バンコク~ホーチミン⇒×、④バンコク~ヤンゴン⇒△。

 このようにハノイを中心にした陸路(東西回廊)が、今後の有力な輸送ルートとして期待できる(○または◎)。これは、ハノイのタンロン工業団地を施工・運営する住友商事が実地調査した結果と一致している。他方、ベトナム・ラオス・タイ3国間の関係は良好であるが、カンボジア・ミャンマーが含まれる陸路は制度面での障害もあり、総合評価は×または△となる。

 これらのルートの物流ニーズの方向性は、ベトナムに求心力が働いている。つまり中国やタイから部品・原材料をハノイ・ホーチミンさらにダナンに輸送し、そこで組立・加工し、それを輸出する。このことによって、相対的に低賃金であり、政治的に安定し、労働の質が高いベトナムの優位性を最大限に活用することができる。

 以上のように物流インフラが徐々に整備されることによって、ベトナムの飛躍的な発展が現実のものになる。部品・原材料といった「すそ野」産業が未発達というベトナム経済最大の課題が克服されるからである。

 ただし貿易収支の問題が残されている。部品・原材料の輸入を高付加価値製品の輸出が上回ることが必要である。さらに対中国、対タイの貿易収支の動向に政府は留意しなければならない。原材料や部品の輸入超過を避けるために、セミナーで指摘されていたが、ベトナム向けの片荷だけではなく、ベトナムからの復荷を増やさなければならない。この結果、この陸路ルートの物流コストが低減される。

 同日にベトナムセミナーが大阪と神戸で開催される。今まさに、ベトナム投資ブームである。

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