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2006年3月15日 (水)

ベトナム子ども達の絵画

 ホーチミン市の観光名所となっている「戦争証跡博物館」が新装され、大きな展示館が建設された。2階の方には上れないようなのだが、さらに展示場が増えるのかは不明である。

 ここにベトナム人小学生・中学生の絵画が展示されている。今年1月の訪問時にゆっくり見る時間がなかったが、先日の「日本ベトナム友好協会」の関西地区の集会で、その全作品を収録したCDを購入することができた。昨年に大阪で開催された「ピースアート展」に展示するためにベトナムから大阪に輸送された時に撮影されたものである。

0501  主催者(大阪府連合会)の許可によって、その作品の1枚を紹介する。作者は14歳のロックさんである。背景には、巨大な爆撃機が墜落し、その前でベトナム人女性が懸命に稲刈りをしている。真ん中の女性は、意外にも明るい表情で汗をぬぐっている。青空には、遠くを飛行中の爆撃機5・6機が小さく描かれている。明るい色彩を全体に使っているだけに、大地に突き刺さる真っ黒な巨体が不気味である。

 当時の男性は戦士として働いたから、女性が家庭や農地を守ることが多かった。これは今でも続いているようである。昼間からコーヒーを飲んで談笑しているのは男性である。それはさておき、この絵から、ベトナムにおける女性のたくましさ、農民の勤勉さ、明るい労働の雰囲気を感じることができる。

 それだからこそ、墜落した爆撃機で表現される戦争の不安や危険が対照的に強調されている。このような具体的な描写で戦争と平和を描くことは、おそらく日本人の同世代の子どもには無理であろう。ベトナムの初等・中等教育において、しっかりと自国の歴史が語り継がれていることがわかる。何と言っても、ベトナム近代史は栄光の独立戦争の歴史である。政府が歴史教育に熱心なのも当然であろう。

 ただしベトナムの若者との交流において、彼・彼女らは自国の歴史を知らないと嘆く日本人も多い。こういった日本人は「ベ平連」などに関係したベトナム反戦運動の世代である。日本の米軍基地からベトナムに爆撃機が出撃し、日本が海兵隊の補給基地の役割を果たしていた。ベトナム人の殺害に日本も間接的に関与していたのである。北爆が開始された1965年当時、私は小学生であったが、戦争反対を訴えた作文が今でも手元に残っている。

 大阪府連理事長・桃木先生(大阪大学教授)の話によれば、入学試験に出題されるからベトナム史をベトナム人青年は熱心に勉強するが、それが終われば、忘れてしまう傾向があるということである。確かに歴史を勉強しても、ITや英語のように就職に有利にならない。現代の若者気質は日本もベトナムも共通しているように思われる。

 今年夏にも大阪で第2回「ピースアート展」が開催されるそうである。日本とベトナムの子ども達の絵を通して、戦争と平和を考え直すきっかけになればと思う。

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