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2006年2月 4日 (土)

大学生の就職のツボ

 先日、某メーカー採用担当者の方と話をさせていただいた。「流通科学大学(=流科大)の学生をよろしく」という就職率アップのための営業活動の一環である。

 この「よろしく」という意味は、「どっちにしようかなと迷う場合に配慮してください」ということである。「何が何でも何とか採用してください」というのでは、その後が長続きしない。私は、このような立場で「営業」している。すべてが満足するような「WIN-WIN関係」の就職が最善である。無理のある就職は、企業も大学も学生も不幸になると思う。

 流科大の開学当初(1988年)には「豪傑」のような教授が就任されていた。お酒の臭いをプンプンさせて講義して、その後に転倒して救急車で入院されたというような武勇伝(エピソード)がある。しかし、その経歴や業績は抜群のものであった。まさに「古き良き時代の大学教授」であった。これに対して最近の大学教授はサラリーマン化しているし、その勤務状況が評定されて給与に反映するようにまでになっている。この意味で、かつての「豪傑」や「名物」と呼ばれる教授が今日では生活し難くなっている。

 上記の「豪傑」教授は、大学と学生のためを思って就職の依頼に無理をした。この教授は、多数の経営者・経営幹部の友人・同輩・先輩なのだから、流科大の卒業生の採用を積極的に働きかけた。その成果は当然あったのだが、その翌年には、企業採用担当者から「先生、もう今年は勘弁してください」という反応があったそうである。

 筆者は、この教授を尊敬・敬愛すると同時に、とても真似ができないと思った。私見では、社会・経済において無理は厳禁である。自然の流れに任せることが必要である。まさに市場がそうである。いろいろな過程を経た後に、それなりに収まるところに収まる。これが市場原理である。自然の流れに任せることが最も安定的な均衡した結果となる。この間、積極的・主体的な働きかけが市場や環境に対してあって当然であるが、そこに無理があれば、市場全体からの反撃を受けることになるであろう。その結果、やむを得ない修正や変更が行われる。

 以上、要するに就職活動を個人的に頑張るのはよいが、無理をしてはいけないという教訓である。自分の実力と本音を素直に出せればよい。過大評価と過小評価の両方を避けることに心がけることが重要であろう。さて、上記メーカー企業にとって望まし大学新卒学生は次のようである。

 (1)日本のメーカーは共通して海外生産が一般的である。したがって 語学力がすべてでないが、必要である。特に女子の採用は、一般に語学ができる人が多い。
 (2)即戦力とは言わないが、2年目から成果を上げるような人材がほしい。
 (3)国内の転勤のみならず、外国赴任を嫌がっては困る。
 (4)コスト削減とスピード重視の企業経営が当然なので、1人当たりの仕事は多い。さらに「チーム連携」も必要である。こういう仕事の環境なので、ストレスに強い人、メンタル面で強い人が望ましい。
 (5)文系の採用では、国内・海外営業、購買、海外企画、それにスタッフ(総務・人事・経理)など仕事になる。それでも海外の仕事が増えてい る。人口減少による日本国内の販売減少を海外販売で補完するのは、どのメーカーにも共通してい る。
 (6)総じて、望ましい人材は精神的に強靭な骨太タイプ。こういう人は、どの会社でもほしがるので他社との取り合いになる。

 以上、 これから当然になる海外ビジネスを考えれば、 精神的にタフな人が求められていることがわかった。このような人材の育成が、大学に求められているとすれば、果たして具体的に何を教育すればよいか。そうは言っても、その第1歩は筆者のゼミでの指導が問題である。この4月から創意工夫したゼミ活動の戦略を学生と相談しながら決めたいと思っている。

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