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2006年2月 6日 (月)

ファンランの塩:マーケティング戦略

 自宅の書斎を整理していたら、2月2日に紹介したファンラン塩田の新聞記事が「発掘」された(2005年7月11日「ベトナム新風 天然塩:味の決め手は海の恵み」『日本経済新聞』大阪版・夕刊)。以下、この記事を紹介し、さらに私見を付言する。次のように日経の記事は述べている。

 「なめてごらん」。出来たての塩をひとつまみ。初めは苦い。すぐに海の香りと甘さに変わり、口いっぱいに広がる。中部ファンラン周辺で作られる天然塩が最近、日本の高級料理店などでも重宝され始めた。

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 「この塩がなければ望む味は出ない」とホーチミンでベトナム麺(めん)の店を経営するホアンさん。毎晩、地下水と天然塩で仕込むつゆに絶対の自信を持つ。ベトナム料理のおいしさの秘密は自然をたっぷり含んだ塩にありそうだ。

 ダム・ブア・ソルトの社長秘書グエン・チ・マイ・エンさんは「同じ海岸で取れる塩でも味は全く異なる。うちよりおいしい塩を作るところは多い。今も試行錯誤の連続」と話す。妥協を許さないベトナム人気質は健在だ。

 以上の記事に出てくる「高級料理店」を筆者は直接知らないが、伝聞では、東京で1本千円といった焼き鳥を出すような店が「ベトナム天然塩」の使用を宣伝しているそうである。

 このブログを書いていて、天然塩の「甘い味」が無性に恋しくなった。そこで近くのスーパーで「自然海塩・海の精」を思い切って買った。ここで「思い切って」と言うのは、その価格が税込みで千円を超えるからである。内容量500グラム。伊豆大島産・黒潮から生まれた純国産塩。食の温故創新を提唱する日本食用塩研究会(NPO法人)が発売している。この商品説明によれば、その味は「さまざまな塩類をバランスよく含んでいるため、ただ塩辛いだけでなく、ほのかな甘味や苦味があり、料理や食品加工に使うと、まろやかな美味を醸し出します」と指摘されている。http://www.uminosei.com/top.html

 この塩、確かに甘い。筆者からすれば、懐かしいベトナムの味がする。伊豆大島で生産して市販価格千円に対して、ベトナムで普通の塩が市販で1㎏数十円でなかったかと思う。ベトナムのブランド商品であるファンランの塩と言っても、その価格は大差ない。そうであるとすれば、日本とベトナムの「甘い塩」の価格差は、数十倍と考えられる。

 ファンランの塩は、日本で知名度は低いが、同様に上記の「海の精」も一般には知られていない。この意味で、顧客の認知度について両者に相違はない。したがってファンランの塩も日本でブランド商品化できる可能性は高い。「海の精」よりも安い価格にして、その味と成分が同等水準と顧客に認知されれば、日本市場に本格的に参入できる余地はあるように思われる。

 以上のファンランの塩、2月2日に指摘した株式上場を絡めたビジネスモデルによって、さらに成功する可能性があると思う。興味のある読者の方々からのコメントやご意見をお待ちいたします。 

 

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