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2006年2月 2日 (木)

ベトナム株式投資の教訓(1)

 ベトナムに詳しい人なら、ファンランという地名を聞いたことがあるかもしれない。ファンランはニントゥアン省(首都:ニンチュウ市)にあり、カムラン空港から有名リゾートのニャチャンの反対方向、ホーチミン市方面に自動車で1時間少しである。ここは、定番の旅行案内書『地球の歩き方』にも記載されている。

Dsc03121  筆者は昨年にファンランを訪問した。塩田で有名な所であり、その塩の味はミネラルが豊富のために甘い。この味は、筆者の人生50年の中で驚きであった。東京の高級料理店が、わざわざ買い付けに来ているし、大手商社も注目しているそうである。写真を参照。

 このファンランの製塩会社「ニントゥアン製塩社」が株式会社化され、その株式の一部が本年1月に新規公開された(http://viet-kabu.com/news/ipo/060105071512.html)。その入札競売方式による新規株式公開(IPO)がホーチミン証券取引所で行なわれた。その結果、額面1万ドンで、最低入札価格が1万50ドンに対して、最高入札価格も1万50ドンでしかなかった。簡単に言って株式公開は失敗であった。

 筆者は、この株式を買ってもよいと思ったが、その機会がなかった。入札失敗の理由は、ベトナム製塩技術が未熟であることと、生産が天候に左右されるので不安定ということが一般に指摘されている。そのために人気が出なかったのである。なるほど、その通りであるが、これは本当の理由ではない。この事例からのベトナム株式投資の教訓は次の2点である。

 1.外国人が「良い会社」と思っても、ベトナム人が「良い会社」と思わない株式購入は慎重にする。ベトナムのことはベトナム人に聞く。

 ファンランの塩は、外国人が思っているほどにベトナム人は商品価値があると考えていないのかもしれない。この事例の製塩会社は投資対象会社ではなく、外国人が育成していく会社とみなすべきである。株式を取得し、新しい生産技術を導入・指導し、競争力を強化し、さらに商品化や外国の販路確保まで協力する。その後に上場し、創業者利得をベトナム人と共に享受する。この会社は、このようなタイプの会社ではないかと思われる。筆者に資金的な余裕があれば、このようにしたいほどにファンランの塩は魅力である。ともかく重要なことは、ベトナム株式の評価についてはベトナム人に聞くことである。

 2.あまり外国人が知らない「マニアック」なベトナム株式には手を出さない。

 「ベトナム通」を自称する人にとって「ファンランの塩」は有名だし、その味を筆者のように体験すると評価が高まる。しかし先に転換社債を販売した「ベトコンバンク」や、株式を入札競売した「ベトナム石油・採掘油井会社」に比較して、一般の外国人の知名度は非常に低い。外国人にも納得できる有力なまたは知名度のある国営企業の株式を購入するべきである。このような株式投資の考え方は日本でも同様である。自分だけが思い込んでいる優良株式は、絶対に値上がりしない。株価上昇には、多数の投資家も同じように考えることが不可欠である。経済学者ケインズが述べたように「株式投資は美人コンテスト」である。

 以上、ベトナム株式投資について教訓である。今後順次、気がついた時点で紹介する。

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