« ハノイで仕事始め | トップページ | 人材育成と民間企業の発展 »

2006年1月 3日 (火)

ハノイの発展を実感

日本のお正月から離れて、しっかりとベトナムで仕事しています。

昨日は、ベトナム人民軍の武器などを製造している工場2ヶ所を訪問しました。中国で生産しているプレス加工の建築部品が、ベトナムで生産できないかを具体的に調査するためです。中国は昨年に人民元が切り上がり、価格競争力が弱まっています。ベトナムに生産移転を検討する日本企業があっても不思議ではありません。

今でも記憶していますが、私が初めてベトナム研究に着手した1994年当時、ベトナムで「プレス加工」は不適当だという指摘がありました。それから10年、ベトナムでプレス加工の操業が可能であるような印象を受けました。金型もベトナムで生産できるようになっています。このような時代の変化を読み込んだ論文やレポートは難しいのですが、間違いなく言えることは、ベトナムの経済発展が確実に進展しているということです。

ベトナムでの問題は原材料の入手です。SSという鉄材が原材料ですが、これらは中国からの輸入に依存します。ベトナム国内で調達できないのです。最近の鉄鋼価格の上昇もあり、果たして中国の価格に勝てるかどうかが問題です。なお人民軍の工場ですから、工場長は軍服を着ていたのには驚きました。工場施設の見学も、事前にパスポートなどのコピーを提出しなければならないようです。でも最初だけで、その後は自由に出入りできるそうです。

このようなプレス加工は、日本では中小企業の分野です。ハノイでは「デ・ラ・タン」通りに木材や鉄材加工の小規模な店があります。訪問した人民軍の工場で価格が合わなければ、こういった場所で指定のプレス機械をもった店を探せば、かなり価格は下がるように感じました。でも品質に問題が発生するのは間違いないでしょう。前述の人民軍工場ですら、外国との取引経験がないという状況ですから、一定の品質管理が懸念されます。

今回のベトナム訪問では、ベトナム・ラオス・カンボジアの比較研究の主要対象とした縫製業の調査については研究協力者と打ち合わせただけで、実際の企業訪問は次回にしようと思っています。数年前にも「ベトナム縫製業協会」を始めとする縫製企業を何社か訪問していますから、研究対象の選定に苦労しないと思っています。

今、ハノイ郊外に大規模な住宅開発が進んでいます。外国人の設計に基づく1万人規模の国際会議場もベトナム政府によって建設中です。その周辺は、住宅用アパートが林立するようになるでしょう。この付近を自動車で走れば、ベトナム近代化が着実に進んでいると実感することができます。2003年末の「アセアンオリンピック試合」のメインスタジアム建設が、この付近の開発の手始めになっています。おそらく今年11月予定のAPEC首脳会議の開催までには、さらにハノイは発展をしているでしょう。「経済はホーチミン市、政治はハノイ」というような先入観は、これからの的確な投資判断を誤らせることになるでしょう。

お菓子製造で有名な「ハイハ・コトブキ」の鈴木さんが、昨年10月に社長を退職され、ご自分でケーキ店「POEME」をオープンされました。会社経営という制約から離れて、ご自分の納得できる味と品質のケーキを製造・販売したいと抱負を話されました。たとえばチョコレートも、これまでは価格の面から材料にココアしか使えなかったものを、この新店ではベルギー製のチョコレートを使用されています。もう10年来のお付き合いをさせていただいていますが、、鈴木さんはベトナム企業について最高の先生です。あまり無理をされずに、お元気でご活躍をしていただきたいと思います。

|

« ハノイで仕事始め | トップページ | 人材育成と民間企業の発展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/223004

この記事へのトラックバック一覧です: ハノイの発展を実感:

« ハノイで仕事始め | トップページ | 人材育成と民間企業の発展 »