« ベトナム縫製業:後藤論文の紹介 | トップページ | ベトナムと韓国を結ぶブリッジ »

2006年1月13日 (金)

最終講義で考えたこと

 今日は3時限目に大学院の講義があり、中国人留学生4名を相手に年末年始の調査旅行の写真を見せながらの報告をした。もちろん最終講義だからこその内容であり、これまでに日本企業の対中国直接投資の論文数編を輪読してきた。

 彼らと話していると、その積極性は日本人も見習うべきことだと思う。知識欲も旺盛である。特にカンボジアで中国人管理者が多数働いていることには興味を示し、給料はいくらもらっているとか、カンボジアの気候はどうなっているとかの質問が続出した。

 今回の縫製業の調査では、中国の原材料をカンボジアに持ち込んで生産し、カンボジアから輸出するというモノの流れであった。中国やタイの人件費が上昇すると、同じことが、ベトナムやラオスでも起こるように思われる。中国の原材料を広州からハノイに持ち込んで生産し、ハイフォンから出荷する。または中国に持って帰る。製品によって、さまざまな組み合わせが考えられる。同様に、タイから部品を持ち込んでラオスで生産し、それをタイに持って帰る。

 原材料や部品の集積が進んでいる広州やバンコックを中心に、それを活用しながら、自国内で付加価値の高い製品を生産する。ベトナム・ラオス・カンボジアが経済発展するための考え方のひとつである。ただしベトナム政府は自国内で、原材料や部品といった「裾野産業」の育成を意図しているが、こういった産業の育成は利益率も低く、なかなか成功しない。それは韓国の事例で証明されている。

 韓国は、日本から原材料や部品を輸入し、それを低い労働コストで生産加工することで輸出を伸ばし、経済発展してきた。このことで韓国貿易の対日赤字は今も解消されていないが、急速な経済発展や、貿易収支の黒字化は達成された。このことをベトナム=韓国、中国=日本と置き換えてみれば、新たなベトナムの発展方向も見えてくるのではないか。

 資源と時間の制約された条件で、何を優先するか。個人でも難しい問題であるが、企業でも国家でも重要な決断であると思う。決断を先延ばしすることは、結局は無為無策と同様の結論に致る。自省すべきことである。

|

« ベトナム縫製業:後藤論文の紹介 | トップページ | ベトナムと韓国を結ぶブリッジ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/341612

この記事へのトラックバック一覧です: 最終講義で考えたこと:

« ベトナム縫製業:後藤論文の紹介 | トップページ | ベトナムと韓国を結ぶブリッジ »