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2006年1月25日 (水)

ホリエモン逮捕をめぐって

 堀江貴文(ホリエモン)氏が逮捕された。ホリエモンについては、私が担当する「企業論」の講義でも昨年に取り上げた。「株式所有に基づく企業支配」という問題に関する具体的な事例としてである。ホリエモンが「株主のことを考えて経営している」と言うなら、なぜ自家用飛行機が必要なのか、なぜ衆議院選挙に立候補しなければならないのか。結局、株主数は多数でも、大株主はホリエモンなのだから、ライブドアは所有者支配=創業者支配の会社である。株主のための経営というのは、多数の個人少数株主のためではなく、要するに自分のための経営なのである。

 かつて1952年に三菱地所の前身である陽和不動産の株式が、藤綱久二郎という相場師によって買い占められた。その株式を高値で買い戻した三菱グループでは、その後、こういった経営権を脅かすような買い占めが2度と起こらないように、グループ内企業が株式を相互に持ち合って安定株主となった。この事件は、いわゆる「株式の持ち合い」が始まった契機となった。

 このときの株式売買益による藤綱氏の豪遊ぶりは兜町で有名であった。高級外車を乗り回し、芸者の背中にお札(千円札?)をペタペタと張って遊んだ。1953年に当時のソ連首相スターリン重体説が流れると軍需関連株から始まって株価は大暴落した。買い占めを進めていた渋沢倉庫の株式で大損した藤綱氏は、寂しく兜町を去っていったと言われている。(以上、NHKテレビ解説より。)

 ひとりの相場師であった藤綱氏が、日本を代表する三菱グループ全体を敵に回す買い占めをし、それが株式市場の日本的特徴となった「株式持ち合い」の発端となった。このような巨大な組織に戦いを挑む藤綱氏に対して、当時の庶民感覚はどのようなものであったのだろうか。私見では、現代のホリエモンに対してと同様に、喝采を送った人も多かったのではないか。しかしその末路は哀れなものであった。

 果たして今回のホリエモン事件は、どのような結末になるのであろうか。また、どのような社会的影響を後世に残すのであろうか。

 ただここで指摘しておきたいことは、藤綱氏もホリエモンも共通して「豪遊」を好むということである。両者のお金の派手な使い方を見ていると、コツコツと努力して貯めたお金でないことは明らかである。お金を貯めることも大事だが、そのお金をどのように使うのかも同様に重要である。その人間性が表現される。お金の多寡はともかく、その使い方を考えてみる価値はある。この意味で、学生時代のアルバイトで貯めたお金を何に使うか。そのお金の使い方で、その学生の人生観や金銭感覚の一端が理解できるかもしれない。

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