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2006年1月22日 (日)

外国人を信用するということ

 年末年始のベトナム訪問で、ホーチミン市在住の服部社長から、ビジネスで良好な関係をベトナム人と保持するためには、第1に、そのベトナム人家族と一緒に食事する、第2に、常に新しい仕事や情報や顧客を提供・紹介することが大切であると指摘された。

 これは、すべての国際ビジネスに通用することである。取引相手の信用度について日本では、信用調査会社に依頼したり、周囲の「噂」を聞いたり、お互い日本人ということで自らの「直感」で判断できたりする。しかしこれらは、外国人には通用しないと考えるべきである。

 非常に信用できるベトナム人がいたとしても、その妻または夫が「派手好き」とか「遊び好き」というのでは、彼または彼女に大金を預けるのは要注意である。これは日本でも同様である。日本では仕事と家族を区別する場合も多いが、外国では積極的にパートナーの家族とつきあうべきである。私の経験でも、ベトナム人の家を訪問して、子ども達との幸せな家庭の雰囲気が感じられたとき、そのベトナム人が不正を働いて家族と逃亡するというような状況は想像できない。

 また日本人ビジネスパーソンの場合でも、一緒に家族で食事して、意外に奥さんが「派手好き」であったり、逆に「地味」であったりする。派手好きの奥さんをもった夫が、すべて不正をするとは通常は考えられないが、ビジネスの重大局面において相手を信用するかしないかという場合は、そういうことも念頭に入れておくことも必要であると思う。

 外国人とのビジネスのパーティーで、夫婦一緒という場合も多い。また自宅でパーティを開催することもある。これも、自分の「分身」である妻または夫を紹介することで、自分に対する信用度を上げるという効果があるのかもしれない。外国人の取引相手とは家族ぐるみで食事をする。そのことで、友好と親密度を高めることができるし、相手の信用度を測ることにもなる。

 中国から部品購入されている某社長(本社・大阪市)から最近、次のような話を聞いた。最初の1年間ほどは値段も安く品質も安定して、中国での委託生産に満足していたが、次第に部品の品質が悪くなってきた。中国側が手を抜くようになった。この仕事は、日本語のできる優秀な中国人に任せていたのだが、その中国人にクレームを言っても、品質改善の問題は解決しない。

 冒頭の服部社長は、ベトナム人と契約してお金を振り込んだら、それで急にベトナム人の態度が変わることがあると指摘された。契約後も良好な関係を維持するためには、その後も日本から注文や顧客を紹介するなど、ベトナム企業の利益に貢献する。日本企業が欠ければ、その後のビジネスが成立しないようにしておけば、契約後も日本企業は大切にしてもらえる。

 上記の中国企業の品質問題は、この服部社長の話を参考にすれば、契約したら「ほったらかし」という日本側にも原因があると思われる。契約後1年も経過すれば、中国企業にとって仕事と報酬が当然のようになり、いわば「ルーチン作業化」する。中国企業にすれば、さらに売り上げや収入を高めたいし、技術を高度化してより付加価値の高い製品も作りたい。注文が増えないとすれば、さらに利益を上げるためには、品質を悪くしてもいいではないかと中国企業が思っても不思議ではない。

 契約して、きちっとお金を払っているからといって、安心できない。外国企業にとって日本企業が常に利用価値があるようにしなければ、相手の対応も悪くなる。外国企業はさらなる関係を望んでいるのだから、そのように日本企業も対応する。注文を増やす。技術指導する。別の顧客を紹介する。日本企業とつきあっていて利益があると思わせないと、次第に外国企業の気持ちは離れていく。そこで当然、品質も悪くなる。品質が悪くなったからと言って、また別の企業と契約する。しかし同じ対応をしていれば、同じ問題が再び発生するのではないか。

 以上、外国人を信用する時の留意点、外国企業とのつきあい方を指摘した。ビジネスは信頼関係が重要だと言うのは簡単である。しかし本当に、たとえば全財産を外国人に預けて、人生最大の勝負という取引において本当に相手を信用できるのか。このようなギリギリの判断が、ビジネスさらに人生の醍醐味と言えるのかもしれない。

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