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2006年1月29日 (日)

キングコングを見た

 昨日、母の葬儀を済ませた。葬儀として反省や後悔があるが、ここでは紹介しない。あまりにも私的なことだからである。

 今日、現在公開中の映画「キングコング」を見に行った。この映画については、ベトナムでも公開中であることを本ブログで紹介した。やっと時間ができて、映画館に足を運ぶことができた。以下、簡単な印象を順不同で述べる。

 1.大恐慌中1933年のニューヨークの描写がよい。当時のブロードウェイ・タイムズスクエアの様子が再現されている。クライマックスでは、路面電車や陸橋電車が当時走っていることがわかった。現在のニューヨークを知る人にとって、これは魅力である。

 2.キングコングの表情がよい。また、おそらくセントラルパークだと思われる氷上でのヒロイン・ナオミ=ワッツとのデートシーンは、おそらく映画史に残る感動である。映画「ロッキー」でのスケートリングのシーンを彷彿させる。同様に夕焼けと朝焼けを前にしたデートも忘れることができない。これらのことから、本作品が愛の物語であることを実感させる。さらにキングコングとナオミ=ワッツと脚本家の愛の三角関係の物語である。初代キングコングよりも、このような情感を十分に感じさせてくれる。

 3.上映時間が3時間を超えることを感じさせない。登場人物を詳細に描写するには、これだけの時間は最低必要であると思われた。主人公の1人である野心家で話のうまい映画プロデューサーは、現代日本のホリエモンを連想させたが、そうするとキングコングはライブドアか、または現代企業そのものか。経営者次第で企業はキングコングにも変身するのである。

 4.巨大なムカデなど節足動物や昆虫に生理的に嫌悪を感じながら、しっかりと感情移入してしまった。これは本当に気持ち悪い。なお恐竜の登場や追跡は、まさに映画「ジェラシックパーク」を連想させた。もっと斬新な映像を見せてほしかった。

 5.このヒロインは非現実的かもしれない。キングコングの手中で激しく振り回されると、普通なら「むち打ち症」である。キングコングの前で彼女はダンスを踊るのだが、その度胸も尋常でない。初代キングコングのヒロインは気がつけば悲鳴を上げていたように記憶している。これほど肉体的・精神的に頑強な女性が本当に存在しているのだろうか。他方、このヒロインの純粋性・素直性が魅力である。キングコングと心を通わす唯一の人間として、キングコングの目線に対応するヒロインの目線も強調されている。このようにナオミ=ワッツは好演である。

 6.伝統的なアクション(活劇)手順を踏襲している。危機が迫る時、間一髪で救援のヒーローとして船長が登場する。この船長は「おいしい役」である。キングコングと脚本家が愛に迷っている中で、船長としての仕事に徹する最も男性的な人物として描かれている。料理の中でのワサビのような役割である。

 7.キングコングが生活していたドクロ島原住民の描写は理解できない。映画「地獄の黙示録」におけるカンボジア原住民の描写が人種的偏見を交えていたように、このドクロ島原住民の場合もひどい。ドクロ島政府が実在するとすれば、この作品の偏見に抗議を表明するであろう。

 8.確かオラウータンかゴリラと女性研究者の心の交流を描いた映画があった。このキングコングを見て、それを想起した。以上のように、このキングコングを見て、いくつかの映画を連想した。このことは、本作品が、それ以前の映画から影響を受けていると言うよりも、初代キングコング映画が、その後の映画に影響を与えたと考えるべきであろう。

 以上、映画「キングコング」。映画鑑賞料より以上の必見の価値がある。感動必至。ご意見をお聞かせください。

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