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2006年1月17日 (火)

ライブドア強制捜査とベトナム株式投資

 昨夜、証券取引法違反の容疑でライブドアが東京地検特捜部の捜索を受けた。ニッポン放送やフジテレビの株式取得によって昨年から知名度を上げ、社長の堀江氏は衆議院選挙では亀井静香氏の刺客として広島選挙区に出馬して話題を集めた。

 この捜索の結果次第ではライブドアの上場廃止もありうるので、同社の株式は大暴落となった。この事件発生の根本は、合法的であれば、もしくは違法でなければ、利益のために何をしてもよいという発想にあると思われる。合法と違法の境界ぎりぎりで活動すれば、ライブドアにとって合法であっても、そのほかの法解釈によっては違法にもなりうる。

 ベトナム株式市場において法整備は不完全である。たとえばベトナム上場企業の有価証券報告書が正確かどうか、また会計監査が厳格がどうかと問えば、それは疑問である。ベトナム企業における財務実態を把握するためには、その「含み益」もしくは「含み損」の構造が分析されなければならない。換言すれば、ベトナム企業の公表される財務内容の中で、どの部分に利益や損失が隠蔽されているかを推定することが必要である。それを推定するためのノウハウ開発が、ベトナム株式投資には不可欠である。このことは、ベトナム株式投資の場合、その公表財務データは最初から信用できないことを意味している。

 このように考えれば、コンプライアンス(法令遵守)が当然と思われている日本企業で違法行為があれば、市場は大きく反応し、ライブドアのように株価暴落を招くが、他方、コンプライアンスが最初から疑問視されているベトナム企業においては、それが株価に折り込み済みなので株式売買は低調であり、株価も低迷している。だからベトナム株式投資は魅力がないかといえば、そうではなく、それに対応した収益機会は存在している。

 極論を言えば、最初から信用できないベトナム企業の方が、信用していて裏切られる日本企業よりもリスクは小さいと言える。前者のリスクは「想定内」であり、後者のリスクは「想定外」である。以上、想定外リスクは、想定内リスクよりも大きな損害を生み出すと指摘できる。

 企業統治の改革やCSR(企業の社会的責任)の重要性が指摘され続ける日本で、今でも企業不祥事が止まらない。これは、日本よりも罰則規定が厳しい米国でも同様である。頻発する企業不祥事は、投資家の日本企業に対する信頼を喪失させる。換言すれば、市場に対する信頼がなくなるということである。法整備が進んだ先進国・日本だからと言って、現状で改革を止めるわけにはいかない。ライブドア事件は、このようなことを再認識させてくれた。

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