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2005年12月27日 (火)

カンボジアの小鳥は飛び立つ

午前中に、台湾人が社長の縫製企業を訪問。カンボジア人女性の総務部長にインタビューしました。彼女は英語がダメで、通訳のカンボジア人が一緒に付いてくれました。この会社のスタッフ構成は、台湾人が1名、カンボジア人12名、中国人36名。ほとんどのカンボジア人は中国語ができる。カンボジア人労働者は1410名。男性が67%。平均月給はスタッフで200~250ドル、労働者で70ドルです。FOB価格での売り上げは1200万ドルとなっています。

台湾人がマネージャーとして中国人を雇い、その中国人が通訳を交えてカンボジア人労働者を指導するという人材構成です。中国人の梱包マネージャーにもインタビューしました。英語~カンボジア語~中国語という通訳を介しての話は、私も初めての経験でした。この中国人は、少しばかり良い給与や生活環境が気に入ってカンボジアに来たそうです。縫製業に従事して16年間の経験があるが、カンボジア人の管理は難しい。その理由は、中国に比べて教育水準が低いからと言っていました。

この会社は典型的な「委託加工型」輸出企業で、その製品の95%以上は米国です。梱包の箱には「ウォルマート」と書かれていました。世界最大の小売業で、日本市場にも参入しようとしている。ひょっとしたら、ウォルマートを通してカンボジア製の衣料品が日本で販売されるかもしれません。こういう話を私はしました。

カンボジアのWTO加盟の批准が2004年。それ以降の売り上げは、2005年4月から12月まで50%増となり、同社にとってWTO加盟はプラスの効果があると言うことでした。私見では、アメリカの輸入割当(クウォータ)が廃止されたので、輸出が急増したのです。

日本の衣料品企業は在庫を減らすために、一般に多品種少量生産を志向しています。しかしウォルマートほどの強大な販売力があると、価格を下げるために大量生産しても、世界のどこかで売れるので在庫リスクを減らせるかもしれません。たとえば米国本土で売れなければ、それを韓国で販売し、韓国で売れなければ中国に持って行く。輸送費を無視した話ですが、効率的な物流システムを構築すれば、大きなコスト上昇にならないでしょう。

ちょうど26日に「セブン&アイ」と「ミレニアムリテリング」の経営統合が発表されたばかりですから、以上のようなことを連想して考えました。なお前者の鈴木会長と後者の和田会長は、私の講義では、よく出てくる人物です。両氏とも「差別化戦略」を重視している点で共通しています。より簡単に言えば、「他人の真似をするな」ということです。これに私も共感して何度も両氏を講義で紹介してきました。でも、その2つのグループが統合されるとは驚きました。

以上のような午前中の訪問後、プノンペン市内を流れるトンレサップ川の川沿いを散歩しました。天気が良くて風もさわやか。日本の9月~10月の体感で大変に気持ちが良い。しばらく歩いていると、100羽近い小鳥を鳥かごに入れた行商の店が数軒あるのに出会いました。この鳥を買って、自由にしてあげると幸福になるというような言い伝えです。これはベトナムでも聞きました。

「鳥インフルエンザ」のことを考えると、店から早く離れなければと思いました。しかし、鳥かごから開放された小鳥が青い空に元気よく飛び立つ様子は、なかなか絵になる風景です。このことからも、カンボジアの人々には「鳥インフルエンザ」予防情報が十分ではないことが想像できます。それはともかく、人間が小鳥を怖がるというような異常性が、早く解消されることを願ってやみません。

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