昨日、7日午後に私が担当する企業論の講義では、学外の特別講師の講演会を開催した。その概要は以下の通りである。
講師 曹 一道(ちょう はんぎる)氏 株式会社ACSH代表取締役
会社概要 http://acsh.jp/corp/index.html
論題 なぜ起業=ビジネスするのか?
――レンタルサイクル業からIT・金融・環境ビジネスへ――
曹氏は在日韓国人として生まれ、立命館大学を卒業後、コンピュータ会社に内定するも辞退し、フリーター、京都の劇団員、そして自転車レンタル会社経営、株式投資売買ソフトの販売、そして現在はバイオエネルギーの栽培ビジネスをラオス・カンボジアなどで展開されている。現在、36歳の新々の若手経営者である。
曹氏のご講義で最も納得し感激したことは、次の文言である。
何が「かっこいい姿」かという美意識=人生観を明確に持ち、理想の姿に素直に憧れ、そのために学び、そして行動レベルで実践に移すことを私は心がけています。
曹氏は30歳代半ばであるが、こういうことを言えるからこそ企業経営者=起業家として成功しているのだと実感した。
この「美意識」とは、自分の理想または夢であると思う。ただし、たとえばサッカー選手になりたいとか、高校野球の監督になりたいとかいうことも「夢」であるが、それは単なる職業の夢である。そうではなく、美意識とは人間としての気概・矜恃・信念という範疇に含まれる夢であると思う。簡単に言えば、曹氏の指摘するように何が「かっこいい」かである。
私は学生に「夢を持ちなさい」と言ってきたが、それを「美意識をもちなさい」と言い換えた方が学生には伝えやすいと思われた。
また「下りのエスカレーターを昇るために頑張るのではなく、上りのエスカレーターを昇る方が速度は速くなる」。これも至言である。経済停滞する日本を含む先進国よりも、経済成長するアジア諸国のビジネスで頑張ることが楽しい。
ビジネスそして人生には「メンター」(良き助言者、指導者、顧問)が必要である。人生には人生の師匠が必要である。その出逢いを求めなければならない。これも感動の名言である。
そして最後に、自分が今、何をしているかということを問い、その自覚を持って生きる。「いったい私は何をしているんだろう?」。こういった自省がなければ、人間は進歩しないであろう。
さらに言えば、過剰なまでの「自省」は「インテリ」の証明である。これは私の恩師の一人である故・松井和夫氏(日本証券経済研究所主任研究員,大阪経済大学教授)の遺訓でもある。
曹氏から多くのメッセージを賜った。貴重なご講義に感謝を申し上げたい。